『I LOVE YOU』

雑感

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尾崎豊の『I LOVE YOU』をはじめて聞いたのは、『北の国から’89帰郷』を見たときだった。『’89帰郷』は、ぼくにとっては『北の国から』との出会いだった。それまで倉本聰も富良野も何も知らなかった。
18歳になって民青同盟の活動を始めてから、テレビというものをほとんど見なくなった。気がつくと笠田の家から持ってきたテレビが壊れたのでなくなり、そのままテレビがない状態で何年も過ごしていた。テレビを全く見なかった期間は21歳から27歳の頃までだろうか。
最も流行に敏感だった若い時代、生活の中にテレビという存在がなかったということになる。中佐野のアパートに引っ越しをし、しばらくすると友人が14インチのテレビをくれた。前に住んでいた人がアンテナを屋根に立てたままだったので、ようやくテレビを見るようになった。当時見ていたのは、金曜日の深夜放映していた鶴瓶さんと上岡龍太郎さんのパペポテレビだった。
それ以降、NHKの連続レレビ小説を見始め、やがていくつかのトレンディドラマを見るようになった。その中で出会ったのが『北の国から』だった。

以前、一緒に活動してた和歌山市在住の女性が、『北の国から』のシナリオ本を一生懸命に読んでいたことがあった。
「何読んでるの」
「『北の国から』、これものすごく面白いんよ」
それが彼女の返事だった。この話がかすかに印象に残っていた。
テレビ欄にスペシャルドラマがあることを発見して、ビデオを撮って見たのが『’89帰郷』だった。
「今年は紅葉が綺麗でさあ」
五郎のこの言葉から始まるドラマは、強烈にぼくを引きつけた。東京の生活に翻弄された純が傷ついて富良野に帰ってくることを描いたドラマは、東京と富良野を鮮やかに対比して印象深かった。
純が、行方が分からなくなっていたれいちゃんと、札幌で、雪が降り街が白くけぶるような日に再会するときに、流れた曲が尾崎豊の『I LOVE YOU』だった。この曲の思い出は、『北の国から』と直結している。尾崎豊という歌手の存在もそれまでは全く知らなかった。

『’89帰郷』を出発にして、ドラマ『北の国から』を見て、『’83冬』『’84夏』『’87初恋』を見てシナリオを全て読み、倉本聰のエッセイを読んで、さらに『北の国から』のスペシャルドラマを追いかけるようになり、尾崎豊についても少しだけCDを借りたりした。

『I LOVE YOU』のラストの「しらけて」には違和感がずっとあった。二人の関係が壊れそうに感じるこの歌は、「愛が壊れてしまわぬ様に」の方がぴったりくると思っていた。でも違和感のある「しらけて」には、17歳の尾崎豊の気持ちがリアルに表れているのかも知れない。ファーストアルバムのために作られた曲。吉岡秀隆君が慕っていた尾崎豊のこの曲は、純とれいの二人の恋愛そのものだった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明