本棚の整理

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9時から総合文化会館で消防出初め式が開催された。1時間30分の長い式典の最後頃に祝電の披露が行われた。
「祝電の到着順にご紹介いたします」
このアナウンスのもとで、先ず紹介されたのは民主党の阪口衆議院議員、以下紹介された順に列記すると自民党の石田衆議院議員、自民党の鶴保参議院議員、自民党の世耕参議院議員、さらに和歌山県知事云々と続いた。祝電というものは、紹介される順序に従って上手に到着するようになっているようだ。
見事としかいいようがない。すごい。
祝電を打つすべての人々が、到着する日時と時刻を克明に計算して一糸乱れず歩調を合わせるのは神業に近い。
奇跡を目の当たりにして、今年はものすごくいいことが起こりそうな予感がしてきた。
出初め式は、退職する団員への感謝状を始め、30年勤続表彰、20年勤続表彰、10年勤続表彰などの表彰が行われる。他の消防団員の方々の一番晴れやかな日が、出初め式だ。
昨年、10回ほど火災で出動があり、さらにお年寄りの行方不明者の捜索などが行われたとかつらぎ警察署長が紹介した。火事の知らせや緊急出動の知らせがあれば、急いで現場に駆けつける努力には頭が下がる。団結して行動する姿は、本当に素晴らしい。
昼からは、年末にコメリで買ってきていた本棚を娘と2人で組み立てて、倉庫に近くなっていたぼくの書斎の本の整理に取りかかった。ドライバー1本で組み立てられる本棚でも、娘にとっては初めての体験となった。
「へー、本箱ってこうやって作るんや」
ドライバーのネジをまわしながら娘は感嘆の声を上げた。
背の高い本棚を1つ組み立てて、壁に添って本棚を並べ直して行くには、一旦重たい本を本棚から外に出して本棚を動かさなければならない。
部屋はたちまち本だらけになった。
作業の途中で、段ボール箱に入っている議会関係の書類を整理して、ひもでくくり、月刊の雑誌の多くを処分しないと本棚には入りきらないのが見えてきた。
もったいないが、コンピューターのハードディスクのように小さなスペースには収まりきらないので、大量に処分しなければならない羽目に陥った。雑誌「経済」だけは取っておきたかったのだが、いたしかたない。
途中から妻も手伝いに入って、親子3人で本の整理に夜の8時ぐらいまで格闘することとなった(6時前にお通夜に行かなければならなかったので、その時間帯だけ中断したが)。
「うわー、ひろー、こんなに広かったんや」
娘ははしゃぎまわって楽しそうだった。
大型の本棚が4つ。1階のリビングにもさらに大型の本棚が1つ、縁側に大型本棚が1つ、倉庫に入りきらない本が段ボールに数箱、あとは事務所のロッカーの2段分にかなりの本が並んでいる。
若い頃は、2か月に一度くらい1万円近くの本を一度の購入していたのだが、最近はかなりの金欠に陥っているので、本を買う額が下がってきた。
定期購読している雑誌は、「前衛」、「経済」、「議会と自治体」、「住民と自治」の4冊。
かつて、一番好きだった雑誌は、「文化評論」という雑誌だった。この本は、休刊を宣言してからずっと再開する機運がない。この雑誌は、総合雑誌で、経済評論から哲学論文、政治的な論文、文化論、文芸時評、小説、ルポルタージュ、詩、マスコミ時評、さまざまな論文などが掲載されていた。ぼくの基礎的な力を培ってくれた雑誌は「文化評論」だったと言っても過言でない。
真下信一さんに出会ったのもこの雑誌だし、青木慧さんのルポルタージュに出会ったのも、藤原審爾さんの小説に出会ったのもこの雑誌だった。20代の途中から雑誌「経済」も取り始めた。難しい論文が多かったが、経済学は社会の動きを理解する上では、特別の地位を占める学問なので、この雑誌には特別の思い入れがあった。
20歳代の学習が、今の自分を支えているように感じる。特に18歳から19歳にかけて、経済学の基礎を大学で時間をかけてていねいに学んだことは、大きな財産になってる。
経済学を学ぶためには、哲学を学ぶ必要がある。そう思いはじめて独学でかなり時間を割いて学んだのは哲学だった。この哲学の学習については、深く教えてもらった先生が存在しない。自分なりの深め方はしてきたが、自分の理解が正しいのかどうか、質問や討論を行う機会が得られないまま、50歳を迎えようとしている。
哲学については、どこかで、いつか講師を前にして深い学習がしたい。そういう思いをもっている。
雑誌「経済」をひもで結んで、古紙として出すのはいかにももったいない。2000年から今日までの時代は、新自由主義的な改革と巨大な変化を克明に描いた時代になっている。
でも、あふれ出す本を整理しないと、しまいに自分が家の外にはみ出しそうだ。
娘と妻が怒ったら、本どころの話ではなくなる。
3人の作業の満足度は非常に高かった。本の背表紙がきれいに並んでいるのを見て、娘はニコニコしながらこう言った。
「図書館みたい」
本には無限の世界があるんだよ。それが少しでも伝わったらうれしい。
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経済 2010年 02月号 [雑誌]/著者不明

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Posted by 東芝 弘明