まごの店、視察の記

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昨夜、ブログを更新しようと思って、Macを立ち上げアメーバにアクセスすると、メンテナンス中でブログの更新が出来なかった。
仕方がないので、一日遅れの1月23日(土)の記事を書くことにする。
視察の2日目は、多気町の「まごの店」に行って昼食を食べることだった。まごの店というのは、相可高校(おうかこうこう)の食物調理科の生徒たちが経営する、全国でただ1つの高校生レストランだ。
議会の視察で金曜日と土曜日の日程を組んだのは初めてのことだ。土曜日の日程をとったのは、高校生の経営するレストランが土日と祝日、学校の長期休業日しか経営されていないので、経営している土曜日にぜひともランチを食べたいという目的をかなえるためだ。
通常、まごの店は予約制をとっていない。提供している昼食は250食なので、お店を開けているときにはかなり長い列が出来る。
多気町には、議会の視察として、ぜひまごの店のランチを食べたいということを事前に伝えてあった。「町おこしのためにぜひ」という思いを汲んでいただいて、特別に予約を認めていただけることとなったのは嬉しいことだった。

上の写真がまごの店の外観だ。円形の建物になっている。外側の壁には小学校5年生の子どもたちが描いた壁画がある。
土曜日の11時に着く予定でワゴンを走らせていたが、道を間違って多気町からだんだん離れてしまい、ルートを修正してまごの店に到着したのは、11時を20分過ぎていた。
まごの店の前には人がはみ出しており、中に入るとレジ付近には、レストランの向かい側にある展示室「ふるさとギャラリー」の奥まで長蛇の列が出来ていた。かつらぎ町議会の6人は、予約の旨を伝えて、待っている人に気を使いながらレストラン内へと案内していただいた。

ぼくが座った席から厨房を撮るとこんな感じになった。
店内の客席は、このような状態だった(右端に移っているのは、総務文教常任委員会の平野委員長)。
みんなで食べたのは「花御前」という1200円のランチだ。

上の写真がお品書き。下が出てきた花御前の一部。これ以外にさらにだし巻き卵、酢の物、お味噌汁、お漬け物などが付く。

まず天ぷらも煮物も温かいのには驚いた。手間のかかるおかずが鉢の中に盛られていたのでこれにも感激した。だし巻き卵は、口に入れると出汁が口の中に広がる。味付けがいいし、これも温かい。注文から食事まで8分を目標にしていると「高校生レストラン、本日も満席。」(村林新吾【相可高校食物調理科教諭】著)に書いてあるとおりだ。
レストランの中に入ると厨房がよく見えるようになっており、しかも2台の大型テレビ(シャープ製:多気町はシャープの企業誘致に成功し2000人のシャープ従業員が働く町になっている)で厨房内を映し出すようになっている。

まごの店は、相可高校の食物調理クラブのクラブ活動であり、生徒は調理実習をクラブ活動として行っている。お客さんへの接客、調理、盛りつけ、レジ、買い出しなどが、全てプロになるための真剣勝負の訓練として行われている。厨房がよく見えるようにしているのも、モニターに映し出しているのも、見られてこそ調理が上達するということなのだろう。
ウエイトレスの生徒に「学年は?」と聞くと「1年生です」という返事が返ってきた。
「1年生はウエイトレスなの?」
「いいえ、私たちも交替で調理を行います」
明快な答えが返ってきた。
「お客様が2名入ります」
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございました」
みんなはきはきとした口調で仕事をしている。
まごの店の総料理長は、村林新吾先生だ。1月23日も村林先生は子どもたちに混じって忙しそうに働いていた。この人が、まごの店の本を書き、子どもたちをプロの料理人として毎日指導している先生だ。元辻調理師学校の講師という肩書きを持っている人でもある。

上の写真は、いっしょに視察に行った氏岡議員と山本課長の2人。山本課長は、岸川課長と2回目の面会となった。「町おこしに若者の力を。ここに感動した」というのが山本さんの最初に行ったときのコメントだった。
きびきびした動きを見ていると、22日の視察で「まごの店」について、誕生までの経過と誕生後のお店の運営状況について説明をしていただいた多気町農林商工課の課長である岸川政之さんの話がよみがえってきた。
「食物調理科の生徒の料理がなぜおいしいのか。それは当たり前なんです。1週間の生徒の調理実習は3時間しかありません。それ以外の時間は普通の高校生として数学や英語の授業を受けています。調理実習は放課後のクラブとまごの店のでの調理となります。これによって、専門学校の生徒と同じだけの調理実習の時間が確保されているのです。ですから、高校生でありながら専門学校生と同じだけの調理実習を行っていることになる。それだけ、時間をかけて修業をしているのでプロとしての即戦力が身につくのです」
「彼らは、甲子園をめざす高校生と変わりません。一流のプロをめざしているので、土日の休みがなくなっても、苦にならないのです。卒業生で京都の吉兆に就職した生徒がいます。彼は、夜10時、11時にお店が終わってからお品書きの習字を習うために書道を習いに通っています。また休みに日にはお茶とお花も習っています。一流のプロになりたいというのはそういうことでしょう」
目標をもった人間の輝きというもの、若い世代の生き生きした姿は、そばで食事をしているだけでも伝わってくる。なんだか、震えるような感覚がわき上がって、目頭が熱くなったりする。
「今の若者は…」
などという前に、子どもたちが現在と未来に目標や情熱をもてる教育を大人たちが与えてきたのかを問いなおす必要があるだろう。
小学校の時代から学校が面白くない、学校に行きたくないという状況をつくっている文部科学省と教育委員会こそ、教育とはなんぞやを根本から問いなおす必要がある。先生よりも親よりも子どもたちよりも。
食事を終了して外に出ると、「本日は完売しました」と書いてあった。完売した時刻は11時30分とあった。土曜日は、お店を開店してから1時間で250食を完売したことになる。
すごい繁盛の仕方だ。
地産地消に高校生の力を。この夢のような取り組みを実現した力は、岸川課長と村林新吾先生との出会いにあった。町おこしの仕掛け人。岸川課長のお話は、別の記事を立てて書いてみたい。

そうそう、上の写真は、現地にいって発見したもの。「福祉施設紀北作業所ヒノキ工房」とある。紀北という言葉にみんな触手が動いた。紀北=和歌山県紀北地域なのか?という疑問がむくむくと湧いてきた。検索してみると紀北作業所は、三重県北牟婁郡紀北町にあることがわかった。
柿の産地であり、さまざまな農作物が生産され、北牟婁郡紀北町というような名前のところもある。和歌山県には東牟婁郡と西牟婁郡がある。なんだか、親近感が湧く地域だ。
高校生レストラン、本日も満席。/村林 新吾

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高校生レストランひみつのレシピ/三重県立相可高等学校調理クラブ

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レジの横にこの2冊の本が並べられて販売されていた。ぼくは、「高校生レストラン、本日も満席。」を買ってきた。少し読んでみても感動的な話がいっぱいあった。


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Posted by 東芝 弘明