青空文庫の「坊ちゃん」

出来事,本の紹介

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毎日新聞の10月25日の記事に次のようなものがあった。

 毎日新聞が7〜9月にかけて実施した「第70回読書世論調査」で、過去の調査でよく読まれたり、戦後ベストセラーになったりした21の文芸作品を挙げ、読んだことがあるかを尋ねたところ、最も多かったのは夏目漱石の「坊っちゃん」(61%)だった。2位はアンネ・フランクの「アンネの日記」(38%)で、ともに作品の一部が教科書に採用された作品が上位を占めた。
 年齢別にみると、「坊っちゃん」を読んだことのある人は、最も高い50代で74%に上った。最少の20代でも41%を占めており、各年代を通じて読まれているのが特徴。男女とも6割が読んでいて、国民に広く親しまれている。「読んだことがある」の3位は川端康成の「雪国」(30%)、4位は黒柳徹子の「窓ぎわのトットちゃん」(28%)だった。

50代で74%の人が「坊ちゃん」を読んだことがあると答えたのは、いささかショックだった。この記事を読んだのは、昨日の東京行きの新幹線の電光掲示板のニュースだった。ふと目を上げたときに、このニュースが流れていた。その時は堤未果さんの「政府はもう嘘をつけない」を読んでいたのだが、「ぼくは読んでいない26%の中に入っているのか」という言葉が浮かんで胸に突き刺さった。
昨日は、午後1時から研修があり、研修終了後みんなで東京の街に食事に行ったし、酔っ払ったので朝まで「坊ちゃん」のことは気にしていなかった。
意識し始めたのは、朝風呂に入り髪を乾かしてからだ。帰りの電車の中で「坊ちゃん」を読んでみようと思いはじめた。「坊ちゃん」なら青空文庫にあるだろうと思って検索すると、思ったとおりあった。朝食を食べて部屋に戻ってからダウンロードして、部屋で少し読み始めた。新大阪駅行きの新幹線に乗ったのが10時30分だった。動き出してから眠たくなるまで、縦長の画面で「坊ちゃん」を読んだ。テンポのいい小説だった。90%ぐらいを読んで、自宅で読み終えた。これでぼくも74%の端くれに入った(笑)。
松山市が舞台の作品は、しかし松山市の人々をかなりけちょんけちょんに書き、中学生との心の交流などは全くと言っていいほど描かれていない。それでも、松山市の人々は、夏目漱石の「坊ちゃん」を大切に扱い、ゆかりの地はそこかしこに残っているらしい。

克明に描かれた教員内の騒動は、平成になった今も同じだろうではないだろうか。権力に近い側の不合理は許され、真面目な人は排除される。明治と平成不合理は著しく増加している。

今回は、青空文庫さまさまだった。


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出来事,本の紹介

Posted by 東芝 弘明