『シングルマザーをひとりぼっちにしないために 〜ママたちが本当にやってほしいこと〜』2

雑感,本の紹介

『シングルマザーをひとりぼっちにしないために 〜ママたちが本当にやってほしいこと〜』を全部読めた。というか、読み出したら最後まで止まらなかった。夫婦間のDVで苦しんでいる女性がものすごく多いことにも驚かされた。男女の性的役割の違いを当然だと思い込んでいる人が多く、男が(場合によっては女性が)女(男)を支配しようとする関係の中で、暴力や言葉による支配、社会的関係の中での支配などが起こっていること、さらにそこにギャンブルなどが入り込んで、より一層深刻な状況になっていること、DVを行う人には、学歴など関係がないこと、弁護士や教師などの職業をもっている人でもDVを行っている人がかなりの割合で存在していることを知った。
DVの本質は、一方の側による相手への支配というところに本質がある。身体に対する暴力もDVの1つであるが、DVは身体に対する暴力に終始するものではない。
妻や恋人を徹底的に監視・束縛し、自分の管理のもとに置くのも典型的なDVだということになる。

本の中に次のような紹介があった。
1998年の東京都の調査によると、女性の33%が夫やパートナーから身体的暴力を受けていることが明らかになり、半数を超える55.9%の人が精神的暴力の被害を受けていることが判明した。この時の調査がDV防止法成立への力となった。大阪ではこの1998年にフェミニストカウンセリング堺が『「夫・恋人(パートナー等)からの暴力について」調査報告書』を出している。DVを行っている男性の最終学歴は、大学卒が42.4%、高校卒が22.3%、中学卒が12.2%、大学院卒が3.9%となっている。報告書には次のような分析がある。
「スローガンとしての男女平等は唱えられていても、社会構造そのものに権力関係が浸透しており、それが私的領域における男女間の支配・被支配関係を生み出し、そこに暴力を発生させているのである。男女の不平等な関係こそが暴力を維持する装置となっている」

これらの指摘は衝撃的だった。
日本は、男女平等を唱える社会にはなっているが、社会の中には、まだまだ性差による役割分担という考え方が根強く存在しており、男性が家庭という小さな世界、非常に恋人間関係の中で性差に縛られて、暴君となる可能性をもっているということだろう。シングルマザーが増えている背景には、DV問題が横たわっており、それが児童虐待とも深くつながっていることを見ないわけには行かないだろう。
「男が女性を幸せにする」というような考え方は、かなり当たり前のように通用していると思うが、「男が女を守る」というような考え方の中にも、男性による女性の保護と表裏一体の支配・被支配の関係が潜んでいるということだろう。勿論、女性の側からの男性への依存という考え方も、支配・被支配という関係を受け入れる土壌にもなる。かつらぎ町には、シングルマザーがかなり多く存在する。その原因の一つとしてDVがあるということは、そんなに認識されていないだろう。

シンママたちがどのような状態があるのか。どんなサポートが必要なのか。ということについては、関わっている人にまずは、『シングルマザーをひとりぼっちにしないために 〜ママたちが本当にやってほしいこと〜』というこの本を進めたいと思う。この本を多くに人に読んでもらう中で、「シンママ大阪応援団」のような支援団体が生まれてくるのではないかと思っている。この本が作られた理由の一つはここにある。

さあ、この本を力に一般質問原稿を書こう。

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Posted by 東芝 弘明