公民館に避難した

雑感

午後11時30分の少し前に自宅に戻ると、消防の車が「避難指示が出ました。避難して下さい」という放送をしながら目の前を通った。打田の下村事務所から自宅に連絡をとっていたので、家族は避難する準備をしていた。帰るなり公民館に避難しようということになって、12時頃公民館に避難した。60人ぐらいの人が公民館に避難していた。3時前だっただろうか。妻と2人で公民館の大ホールで眠ることにした。
紀の川の警戒水位がレベル4に達したことによって、発令された避難指示だった。
「まわりがまだ動いていない」「もう少し様子を見たら」
こういう意見が出たけれど、公民館に避難することにした。紀の川が増水して堤防を乗り越えて水が氾濫したらわずか数秒で浸水する。しかも紀の川の水の勢いはものすごい。様子を見ていたら大変なことになる。(写真は避難したときの荷物の一部)。

今回は幸い、紀ノ川の水は堤防を乗り越えることなく終わった。良かった。自宅に帰っていたのが6時前だった。
昨日は、選挙結果と避難情報を見比べながら選挙事務所でいたのだが、選挙の情報はほとんど分からなかった。避難先の公民館でも開票速報の帯がある番組を見ていたが、日本共産党は12議席という表示から動かず、9議席後退がほぼ濃厚になっていた。

まずは選挙のお礼を述べたいと思う(こういう場合は、「ですます」で書かないとうまくいかない)。
日本共産党を支持していただき、本当にありがとうございました。和歌山県では、日本共産党の公認であったにもかかわらず、野党統一候補という形が実現しました。この運動に未来を感じる選挙戦になりました。しかし、この力はまだまだ小さく、県民への浸透という点でもまだ小さなものに留まりました。
しかし、市民と野党の共闘にこそ未来があり、この運動が国民に真実を伝える運動として発展させる必要があります。
これからも、憲法を守るという日本最大の対決点を自覚して、真実を伝えるために力を尽くしたいと思います。

さて。
今回の選挙の最大の構図は、小選挙区289の内、野党共闘が実現した選挙区が249というところにあった。しかし、こういう対決構図になったのは、選挙の直前、つまり公示の前日だった。新聞もテレビも選挙の構図がこういう形になっていることを一言も伝えず、選挙の構図は、自公対立憲民主と日本共産党、社民党対希望の党と日本維新の会という3極のたたかいにあるかのように描いた。しかし、選挙の前から維新の会と希望の党は、自民党との連携もありうるという態度を表明していたので、本当の対決の構図は自公+自公の補完勢力(希望の党と日本維新の会)対立憲野党というところに真の対決軸があった。対決の構図が何処にあるかを見極めるのは、国民に情報をきちんと伝えるメディアの責任だ。対決構図の見方に違いがあっても仕方はないが、真の対決構図はここにあるという鋭い見方が全く出されないというのには、意図を感じる。

希望の党の結成の仕方は、政策協定を結んでいた野党共闘に対する分断であったことは明らかだったのに、希望の党の出現が民進党の解党と野党の分断だったという指摘はほとんど見られず、小池人気を持ち上げて描くだけだった。この報道の仕方は、希望の党があたかも自公政権に対決するかのような期待を持たせるものになった。こういう見方をするメディアがあってもいいだろう。しかし、全てのメディアが本質をつかめず、野党共闘を分断したものだという見方を欠落させた報道の仕方は、異常だったと言わなければならない。

自公と希望の党、日本維新の会が国会の中で圧倒的な多数を占めるようになったので、憲法改正が日程に上ってくる。憲法改正の何が問われるのかについても、マスメディアは、わざと本質をごまかしながら対決軸を描くことになる。安倍政権の圧力に屈したマスメディアは、その本質においてすでに大政翼賛的なものになっていると言わなければならない。ベネズエラのチャベス政権が誕生したときと同じように、事実をまともに描かないマスメディアの宣伝を打ち破って日本国憲法の本当の姿を伝えられるかどうかが、憲法を守れるかどうかの分岐点になる。
国民に真実を伝えるという点が、もっとも大事なことになる。
マスメディアが描くとおりの選挙結果が得られるような状況になっているもとで、国民はメディアの歪んだ鏡を打ち破る努力を草の根で始めなければならない。このたたかいは、一度勝利したら終わるというものではない。歪んだ鏡は打ち砕かれるたびに新たな装いをもって再編強化される。権力を握っている側は、膨大な資金を活用して、世論対策、国民の意識の誘導の方法を研究している。日常普段の徹底的な世論誘導は、国民の努力によって打ち砕かなければならないが、打ち砕かれるたびに権力側は、巻き返しを図ってくる。

憲法改正勢力が8割を占める衆議院が、憲法改正発議を行っていく中で情勢が動いていく。これに対して憲法を守ろうとする力は、国民の中に確実に育っている。この力は市民と野党の共闘として発展していくだろう。この力がどれだけ大きくなるのか。情勢を国民の願いが実現する方向の発展するのかどうかは、この力の成長にかかっている。
日本共産党の力は小さくなった。21議席が12議席になったのは大きな後退だった。厳しい結果を受けとめて再出発しなければならない。掲げていた路線に誤りがあったとは思わない。小選挙区制という選挙制度は、力のない政党には冷たく、力のある政党により一層力が集中するように働く。それは、民意を歪める仕組みでもある。この仕組みのもとで力をつけることが問われている。
どれだけ多くの人々に本当のことを伝えることができるのか。ここに未来がある。


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雑感

Posted by 東芝 弘明