クエ鍋を食べた

雑感

休暇をとって、家族4人で有田市のクエ鍋料理と有田川町の温泉に行ってきた。車で海南市から42号線を下り下津を超えて有田市に入り、JR紀勢線の初島駅の近くに行くと目的の「松林」さんの民宿があった。ここはJXTGエネルギー(株)和歌山製油所の大きなタンク群のある近くだった。お昼は、民宿の部屋で鍋料理を食べることができるようになっていた。おばあちゃんと妻と娘とぼくの4人で一緒に出かけることは、滅多にないので久しぶりにゆっくり過ごす1日になった。
クエ料理は、生まれて初めてだった。おばあちゃんが80歳になり、ぼくが58歳になったのでお誕生日のお祝いということで「食べに行こう」となった。おばあちゃんが「クエ鍋を食べたい」というので美味しく食べる事のできる料理屋さんをネットで物色して、選んだのがここだった。
「白浜の旅館で泊まって食べたときより美味しかった」
おばあちゃんはそう言った。
鍋とクエの唐揚げと刺身、クエのにぎりと雑炊を堪能して、お腹いっぱいになった。
クエは、娘曰く「ふぐと鯛の間のお魚や」。
「そうだねー」という感じだった。

料理を食べたあと、有田市の中心街を抜けて有田川町に入り「かなや明恵峡温泉」に向かった。有田川町に入ると有田川町議選挙の応援で1月にビラをまいた地域を横切った。この地域を抜けて、町議である増谷憲さんの選挙事務所になった倉庫の前を通り、さらに有田川沿いに川上に入って行った。選挙事務所になった農業用倉庫から10分ほどで「かなや明恵峡温泉」に着いた。
「どこにあるんだろう」
車を走らせても案内看板が出ていたのにそれらしき建物は見えなかったが、カーブを曲がり少し視界が開けると右手の山の上に建物が見えた。
「あそこちゃう?」
みんなで建物を見上げて道を走ると、山に登るための入口にたどり着いた。急な坂道を登ると小高い山の上に「かなや明恵峡温泉」はあった。

露天風呂から眺めると有田川が見える。山の中の景色のいい温泉で肌がつるつるになった。
それでも30分もするとお風呂に入り続けることができなくなったので風呂から上がり、休憩室に行った。
室と言ってもドアで仕切られているのではなく、オープンな大広間で好き勝手に寝転んだりテレビを見たりすることができる様になっていた。座卓が並んでいるのは、自動販売機などで買った飲物や食べ物を飲んだり食べたりできるようにしているからだろう。
大きなテレビの前に横になって、映し出されていた「そこまで言って委員会」を見た。
原発の是か否かで議論していた。否を主張するのは、カマキリタイプの大学教授だった。この方は右っぽい論理をよく展開する人だが、原発については、5年間で全ての原発を止めるという論を展開していた。原発廃炉ビジネスについても、それによって原発推進と同じほど仕事があることを述べ、使用済み核燃料の半減期は10万年なので原発の本当のコストは計算できないことも明らかにしていた。参加者による最初のときのジャッジメントでは否を唱えたカマキリ教授は劣勢だったのに、2回目に行ったジャッジメントのときには、カマキリ教授に賛成する人が半数を増えた。「そこまで言っても委員会」という番組でさえ、原発問題に対しては、こういう答えが出るというのが面白かった。

どれだけ時間が経っただろうか。見ると部屋の奥に椅子とテーブルがあった。そこに移動して温泉グッズと一緒に入れてきた浅田次郎さんの『見知らぬ妻へ』という文庫を取り出した。この短編集は、読んでも物語が完結しないような工夫がほどこされている。小説のラストを3度ほど読み返して、それから先の書かれていない物語を考えてみた。
ぼくの横には大きないびきをかいて、口を開けて寝ている人がいた。幸せそうだ。本に集中するといびきは気にならなくなった。
お風呂からおばあちゃんが出てきて、娘が出てきて、妻が出てきた。妻は僕の前に座ってお茶を出してくれた。
外は雨が降っていた。夕方から雨になるという天気予報は、ほぼその通りだった。

帰りは高速を使って、京奈和に入り戻ってきた。有田川からかつらぎまでほぼ1時間だった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明