仮面の告白か?

雑感

ツイッターへの返信やドラマへのレビューを読んでいるといやーな気持ちになる。最近、ネットの中の文章には、どぎついものが増えている。
ツイッターへの返信は、最初から喧嘩腰。相手のことを何にも知らないのに、いきなり殴りかかってくる。
「言葉遣いが悪いですね」
と書いても、相手の姿勢は改まらない。
東京の雑踏の中で、すれ違う人に殴りかかる。これがツイッターの返信にはある。日本共産党の議員に対する悪罵というのが、ツイッターには存在する。調べていくと、過去に何度も、アルバイトとしての悪罵=ネット右翼的書き込みというものがあったことに気がついた。アルバイトとしてのネット右翼的な書き込み、これは新しい。こういうものがネットにはびこっていくとネットが現実の世界から遊離してくる。もうすでにツイッターの返信は、現実の世界からは完全に遊離している。

ツイッターの殴り合いも嫌だが、ドラマに対するレビューにも嫌気がさす。インフルエンザで休んでいるときに、まとめて『コールドケース』(WOWOW)を観た。刑事ドラマで未解決だった事件を、5人の刑事が新しい事実の判明をきっかけにして、再調査し真相を明らかにしていくドラマだ。
被害者の思いが真相解明によって、何らかの信頼回復につながったりしていく。それがラストの無音で展開されるいくつかの映像によって伝わってくる。この描き方に心が動かされ、気持ちのいい印象が残る作品だった。それでレビューを読みたくなった。
僕が得た印象は、主役の吉田羊さんが、作品の特別上映の前の舞台挨拶で語っていたものと重なるものだった。
「気持ちをレビューでも共有したい」
そう思って読んだレビューは、最悪だった。
俳優の演技をコテンパンにけなし、作品の出来の悪さを徹底的になじり、これでもかというほど、悪罵を投げつけるものが多かった。
「あなた方は神か、悪魔か。」
読みながらそう思った。作品を作る側の努力に対する敬意。どのような作品であろうとも、作る側の努力を踏まえてレビューを書くべきではないか。そういう配慮のないレビューは、読みたくない。
作る側へのリスペクトがない批評ほど見苦しいものはない。

『コールドケース』というドラマが良かっただけに、より一層レビューには、いやーな気分が残った。日本の文化は、もっと思いやりに満ちたものではなかったか。
悪罵を投げつけるような文化は、一体どこから生まれたのか。それは、匿名性という仮面が作り出す醜い本音なのだろうか。


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雑感

Posted by 東芝 弘明