青い空と卒業式

雑感

春の日差しを感じる卒業式だった。笠田小学校の体育館の天井は高く、窓は建物の上半分を使っているように大きく広い。その窓から見える空には雲一つなかった。体育館には、光がたくさん差し込んでおり、明るかった。まだ新しい建物に入ってくる光は、紀州材の壁を明るく見せていた。式辞を述べる校長先生や教育委員会の方の告辞を聞きながら青い空を見ていた。

小学校と中学校の卒業式は、同じような式次第なのにクッキリとした違いを表す。それは、別離という側面の強い中学校の卒業式と進級という感じの強い小学校の卒業式の違いだろうか。小学校における別離は、先生方との別れに集中して現れる。しかし、この別れは巣立っていく子どもたちへの拍手に包まれている感じがする。

中学校の別れは、友だちとの別れと先生との分かれが重なっている。生徒たちの目に溢れる涙は、別れを惜しむ涙だと思う。
卒業する子どもたちが退場するとき、若い女性の先生が泣いていた。体全体が震えているのが見えた。子どもたちが成長して、同窓会に先生を迎えるときが来る。今日の涙は再会のときの思い出の一つの刻印になるかも知れない。

校長先生は、式辞の中で校歌の中にある至誠について語った。
ぼくは東京に行って佐藤春夫さんに校歌を作ってもらうようお願いに行った校長先生の物語を思い出していた。笠田小学校の校歌にある至誠こそが、校歌誕生のひとつの要になっている。誕生の謎解きの真ん中に至誠という言葉がある。そう思いながら話を聞いていた。


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雑感

Posted by 東芝 弘明