淡路島縦断
朝6時に妻と2人、自宅を出発した。目的地は淡路島だ。淡路島の神戸淡路鳴門自動車道路のファミマのあるサービスエリアでカフェラテを買って朝食を食べた。朝の6時30分頃だった。早めに家を出ないと渋滞に巻き込まれて淡路になかなか着けない。
どこに行くのか決めずに来たので、妻がiPadで検索して大塚国際美術館に行くことにした。検索するとこの美術館は、徳島の鳴門にあった。淡路島を縦断することに決めて美術館に行くと車のすごい行列にでくわした。案内に従って車を駐車したのは、第2駐車場だった。そこから引っ切りなしにシャトルバスが出ていて、会場まで行くことができた。
入場料は3240円もした。しかし、この美術館で10時20分頃から午後3時過ぎまで過ごして、色々な作品を見た。この美術館は、歌手の米津玄師が紅白歌合戦でライブ中継によるLemonを歌った場所になった。この時の映像のインパクトが大きかったので、訪れる来館者が5割増しになった。昨年の年末NHKは、3台のトレーラーでやって来て、5000本のキャンドルを使い、礼拝堂の扉を作り、一番下から上っていく長いエスカレーターにもキャンドルを並べて、Live中継の会場を作り上げたのだという。
ここに飾られている壁画や絵画のほとんど(すべて陶板ではないかも)は、写真撮影した絵画をプリントし、それを陶板に焼き付けて作成されている。これらの実物大の作品のレプリカは、大塚製薬のグループである大塚オーミ陶業株式会社が、特殊技術を開発して作成したものだ。本物の絵画の一枚一枚に対し、陶板による複製の許可を取って作ったのがこの美術館の作品群だった。作品数は1000点余にのぼる。
大きな陶板を歪みもなく作成する技術は、信楽焼の技術を活用したものであり、大塚オーミ陶器株式会社という名称のオーミというのは、近江のことだ。この会社は、信楽にあった会社と合併してつくられ、オーミという名が会社名として採用されたものだ。この陶板の技術と絵画の色の再現には膨大な努力が注ぎ込まれている。陶板への焼き付けなので、「2000年たっても色あせない、忠実に再現された名画」(大塚国際美術館マップ&ガイド)だ。陶板画に触れてもいいし、どれだけ近寄って見てもいいし、カメラで撮影してもいいという、実物では到底できないことができる美術館になっている。海外のキリスト教による宗教画から始まり、現在の海外アートまで、たくさんの画家の作品が展示されている。
もちろん、実物の質感を再現するものではないし、色も忠実に再現はされているが、全く同じということにはならないだろう。しかし、絵画について、すべての人が本物に触れることができない現実があるなか、こういう美術館があってもいいのではないかと思われる。
妻と2人、2時間の説明案内に加わって鑑賞することにした。とくに文字が誰でも読める時代でなかったキリスト教の宗教画は、絵画一つ一つが聖書に記載された物語の再現であり、同時に画家によるかなり自由な表現でもあった。こういう絵画は、とくに聖書について素養のほとんどないぼくたちのような者にとっては、物語についての説明があってはじめて理解できる。
たとえば、多くの作家がマリアが受胎した時の天使ガブリエルによる告知について、絵画で表現しているが、告知の仕方、マリアやガブリエルの姿については、千差万別といっていいほどの違いがある。
作品群の中にポンパドール公爵夫人の肖像画があった。マルクスの資本論には、ポンパドールが語った「我亡き後に洪水は来たれ」という言葉が紹介されているが、ポンパドールという人物がどのような姿だったのかは知らなかった(有名なのに知らなかったということだ)。かのポンパドール公爵夫人の肖像画が2点あった。この絵画を実物大で見ることができたのは、嬉しかった。
下の写真がポンパドール公爵夫人の肖像画だ。縦に入っている線は、陶板が3枚に分かれていることを示している。
この美術館を出た後は、淡路島の最北端にある国立明石海峡公園に行き、公園内の花を見て回った。そのあと夢舞台という温室に行って花をさらに見学した。
僕も今年の正月に大塚国際美術館に行きました。すごく立派な美術館でした。ただ全てレプリカなのでなぁ~・・・・美術品に対する感動というより、あんな場所に美術館を建設した大塚製薬に感動しました。それとすべての作品を触れてもいいのは当然で、レプリカなので破損してもいくらでも複製できます。
実は、パリのルーブル美術館に行ったことがあります。すべて本物。有名なモナリザの本物も見ました。可能であれば何度でも行きたいと思う美術館です。
大塚国際美術館は・・・・もういいです。入館料が高いのもありますが、東芝さんの画像で分かるように、絵画で大きいのはすべてタイルを何枚か継ぎ合わせて作成している。当然タイルの大きさに限界があるからですが・・・やはりレプリカはレプリカです。
本物には勝てません。
ヨーロッパの街並みを再現した和歌山のマリーナシティーのようなものです。
トリノさんのいうとおりだと思います。本物には叶いませんが、美術に興味を持ってもらったり、歴史を学んだり絵の面白さを知ってもらうのには、いい場所だと思いました。信楽に行ったときに偶然、ボンカレーの古い看板を発見して写真に撮りました。この信楽のボンカレーの看板と次の日に行った大塚国際美術館のつながりを知って、面白かったです。