伊勢正三さんたちのコンサートへ

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伊勢正三さんと太田裕美さん、大野真澄(元ガロ)の3人のコンサートが総合文化会館で12月16日に開かれる。補助金が出ているので2000円でチケットが販売される。安いと思う。この3人は、1970年代に活躍した方々で、ぼくたちが高校生だった頃、あこがれていたミュージシャンだった。伊勢正三さんは、南こうせつさん、山田パンダさんと「かぐや姫」を結成していた。「かぐや姫フォーエバー」に収録されている「アビーロードの街」、「あの人の手紙」、「22歳の別れ」、「なごり雪」、「おもかげ色の空」、「好きだった人」などは伊勢正三さんの曲だった。

「なごり雪」はイルカさんが歌い大ヒットした曲だが、実はこの曲には姉妹編の曲がある。別れた駅に1年後、彼女が立って「もうあれから一年たったのですね。あの駅であなたと別れた日から」と歌う曲だ。
伊勢正三さんの曲には、イメージが鮮明に立ち上ってくるところがある。別れの曲も多かったが、澄んだ空気のような感じが歌にあって、ちょうど今のこの秋の澄み切った空と空気を感じさせる。
「かぐや姫」は、ぼくがその存在に気がついたときにはすでに解散していた。最後に出した2枚組のアルバム、「かぐや姫フォーエバー」からぼくたちはかぐや姫を知ったような感じがある。
2年生の高校生の文化祭の時に、友人2人が「かぐや姫」の曲をコピーして文化祭の舞台に立った。ぼくは、当時生徒会の一員だったので、このコピーバンドの舞台の袖で司会を務めていた。
歌は曲とともにあったが、歌詞の魅力がぼくたちの心をとらえていた。世間では「四畳半フォーク」なんていう言葉も生まれていた(「神田川」(この歌の下宿は3畳一間だが)や「赤ちょうちん」がこういう言葉を生み出したように思う)が、生活感のある、きれいでもの悲しい歌に心惹かれていた。
伊勢正三さんの歌に「あの頃のぼくは」という歌がある。イルカさんがデビュー曲として歌った曲だ。この曲は、本棚のある部屋で1人でコーヒーを飲んでいると今でも胸の中によみがえってくる曲だ。

70年代に活躍したミュージシャンの、若い頃の初期の作品には、生活感があふれていて心惹かれる。吉田拓郎の曲には哲学的なものを感じていたし、中島みゆきの「店の名はライフ」には、薄暗いちいさな古いお店と空間を感じていた。ユーミンの曲には、「やさしさに包まれたなら」などのように生活感のあまりしないおとぎ話のような感じのものがあった。でもユーミンの「いちご白書をもう一度」には、彼女の学生時代の雰囲気がにじんでいた。
中学生の時に初めて買ったレコードはあべ静枝の「水色の手紙」だった。笠田東の駅筋にはレコード店があり、ここではギターも販売されていた。シングル盤とL盤のジャケットを見るのが好きだった。このお店は、障害者の将棋の強い男の人が経営していた。
プレイヤーにレコードをかけて、針をそっとおいて曲を聴く。それがオートでおこなわれるようになったのは高校生になってからだった。あの頃たくさんあったレコードは、引っ越しの時にどうにかしたらしく、もう1枚も残っていない。
歌詞が人々の心を深くとらえて、生活の中に歌が息づいていた。みんな、いろいろな歌に思い出があり、歌を聞くとよみがえってくる記憶がある。
日本語の歌詞は美しいと思っていた。歌詞は胸に染みこんで、世界を広げていた。
12月16日、伊勢正三さんたちに会いに行きたい。


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Posted by 東芝 弘明