草木国土悉皆成仏

出来事

「生まれ年の人はいますか」
こういう声がかかったので、「もうすぐ60歳になります」というと絵馬をいただけた。こくた恵二さんの事務所が毎年販売しているものを2つ購入し、一つをその年の年男、年女の人にお裾分けをしているのだという。

京都から届いた絵馬には、「草木国土悉皆成仏」とあった。意味は「心あるもののみならず、心のないものまであらゆるものが成仏する」というようだ。他の辞書には「草木や国土のように心をもたないものでさえ、ことごとく仏性があるから、成仏するということ」という意味が記されていた。

ちょっとだけ調べると、この言葉は中国で用いられたとあり、「草木国土悉皆成仏」の偈を記した最古の文献は安然(あんねん)(841-915年〈不祥〉)が著した『劃定草木成仏私記(しんじょうそうもくじょうぶつしき)』(869-85年〈不祥〉)(『掛定私記 』 ) であったとある。
簡単に書くと、天台宗において、草木国土悉皆成仏の教えが説かれ、鎌倉時代になって、親鸞、道元、日蓮らによって主張されたらしい。悉皆(しっかい)というのは、一つ残らず全部という意味で、行政用語として全世帯に対する調査などのときに用いられ、悉皆調査というような使われ方をする。辞書を引くと悉皆調査という言葉が例として書かれている。

日本の文化には、自然に対する感謝や怖れなどが入り交じっている。自然崇拝が根底にあるので、草木国土悉皆成仏という考え方が広く受け入れられたようだ。人間が頂点にあるのではなくて、自然の中に人間もあるという考え方だろう。
この絵馬との出会いを大切にしようと思った。

今日は、自宅に戻るときに一日遅れだったが、仏壇へのお供えを買った。モナカがあったのでおまんじゅうと2セット買って帰って、仏壇に手を合わせた。


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Posted by 東芝 弘明