ニーチェについての談義
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朝9時前に役場を出て花園支所に向かった。総務産業常任委員会の視察で花園地域の観光とキャンプの施設を見てまわり、状況を確認する仕事だった。この2年間の総務産業常任委員会の最後の委員会となる。車で移動しながら、10時になるのを待った。1次試験の結果発表の時刻が午前10時だった。サイト上での発表となっていた。キャッシュが働いたら新しい画面にならない場合があるので、それを気にしながら移動の車の中で時間が来るのを待った。
10時になったときに立っていたのは、新子森林公園だった。10時過ぎにサイトが表示できなくなった。更新中、もしくは新規データのアップロード中だった。3分ほどすると新しい画面が表示された。
トップの新規情報に結果発表のリンクが出てきた。
「あった」
事前に聞いていた受験番号が画面の中にあった。ほっとした。これで2次試験の切符が手に入った。
自宅に帰ると妻が花に水をやっていた。
「よかったなあ」
「うん、よかったわ」
こう会話してぼくは自宅に入った。
娘は、車の免許をようやく取る気になって、妻と2人で自動車学校に行き、手続きをしてきたようだ。
夕ご飯は、プチお祝いということで、居酒屋メニューをみんなで作ることになった。トマトを切り、だし巻き卵を焼き、スパゲッティーと枝豆と炊き合わせなどが食卓に並んだ。ぼくがリクエストした冷凍のたこ焼きもテーブルの上に載っていた。とんかつソースと辛子明太子入りマヨでたこ焼きを食べて、第3のビールを飲み、娘と2人で買ってきたカリン酒も少し飲んだ。
「おめでとう」
という言葉が食卓の上でダンスを踊っていた。
夜は、娘の部屋でニーチェについて、説明を受けて、1時間半ほど哲学の談義をした。
ニーチェは、神のかわりに超人になることを求め、自分自身はニーチェのいう超人にはなり得なかった人だなと感じた(まあ誰でも超人にはなりがたいのだけれど)。
宗教はルサンチマン(憤り・怨恨・憎悪・非難)などの感情から生まれたものだというニーチェに対して、本当にそうなのか、ということが議論の中心になった。こういう捉え方をしたニーチェは、心の拠り所を失って精神のバランスを崩したのではないかとなり、宗教は、他者理解や共感を根底にすえて成り立っているのではないか、というような談義になった。
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