『コミュニティデザインの時代』

出来事,議員の活動

一般質問の準備の中で本を一冊読もうと思って、棚から『コミュニティデザインの時代』(山崎亮著)という新書版を取り出した。昨日の夜少し読んで、今日の午前中10時から12時過ぎまで読んで読み終えた。わりと細かな字の本で250ページほどのものだった。コミュニティデザインという面白いことをしている人の本だった。山崎亮さんは、もともとは設計屋さんだが、建物の設計を行わないでコミュニティをデザインする人になって、コミュニティデザインを実行する人を会社に雇って、全国を股にかけてコミュニティをデザインして回っている人だ。自治体からの要請に応じて、地域のコミュニティを組織して回っている。関わる自治体は3年から5年程度。新たなコミュニティができたら自治体から離れるという建物の設計をしないデザイナー。いわば仕掛け人だ。

この人の論理は明確。村落共同体が壊れ、個人が自由になり、しがらみから解放されたが、同時にバラバラになって、隣の人ともほとんど交流がなくなっている地域に入って、新しい形のコミュニティをつくって地域おこし、まちづくりを行っている。この人の本を読むと、人口減少=だめということでないというのが分かる。ぼくも多分に漏れず、人口の減少=活力の低下、地域の衰退だと思ってきた。ぼくは、今起こっているのは過疎化と人口減少なので、地域の活性化にとって、人口の増加は必要だと思ってきた。
しかし、同時に少子高齢化によって地域の活力が落ちているとは考えてこなかった。少子高齢化という言葉は基本的に嫌いだ。この2つは「セットもの」ではない。少子化は克服すべきものだが、高齢化は危機的なものではない。お年寄りの平均年齢が伸びていくことによって、新たな課題は沢山増えるだろうけれど、それは深刻な問題ではない。お年寄りが幸せになるように条件を整えるべきという課題だ。一方、少子化は、子育てしにくい労働環境、子育て支援の状況などなどがあって、起こっている問題でもあるので、政治による原因が大きい。8時間労働と充実した子育て支援、働く人々の賃金アップ、大学までの授業料無料などが実現したら、長い時間はかかるだろうけれど、少子化はかなり回復する可能性があるとも思ってきた。

しかし、ぼくが考えてきたことの中にも、右肩上がりの高度経済成長期のモデルが忍び込んでいなかったかどうか。人口が減少しても、住みやすい、みんなが幸せになれる地域や政治が実現すれば、それでいいのではないか。という考え方にはなっていないのではないかと思い知らされた。
今回のぼくの質問は、今回、人口2万人計画を具体化しようというものだが、実は2万人にはこだわっていない。子育て世代が増えて、子育てしやすい街として発展し、笠田高校やJRが存続すればそれでいいというのが中心だ。しかし、今日読んだ本が人口増に対して、全く違う考え方を示していたのには驚いた。いきなりぼくの質問にアンチテーでをぶつけられた感じになった。
「もっと早く読んでおけばよかった」
実は、昨日、速読のメソッドのさわりをネットで見てから本を読みはじめた。さわりを学んだだけで本を読むスピードが速くなったので1冊の本を読むのも、全ての議員の2万人計画についての議事録を読むのも苦にはならなかった。

さて、明日の一般質問の原稿を書く。まだ原稿は佳境に入っていない。急がなくっちゃ。


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出来事,議員の活動

Posted by 東芝 弘明