庭に咲いた花の名前が分からない 2005年10月25日(火)

雑感

花の名前をほとんど知らない。
以前、この状況を克服しようとして、当時流行りつつあったCD−ROMの花の図鑑を買ったことがある。まだWindowsを使っていた頃のことだ。
この図鑑は、かなり重宝していたのに、ある時から忽然と姿を消した。どんなに探しても見つからなかった。以来、結局花の名前はほとんど分からずじまいだ。
「名もなき花」という表現をときどき使っていたが、「名もなき花」がもしあったら、それは大変な発見である。そう考えたら「名もなき花」という表現が使えなくなった。
今日、朝自宅の花壇を見ると、白い花が咲いていた。
何という花か分からない。
写真をとってBlogに載せることにした。
これがその写真です。
誰か、もし名前を知っていたら教えて下さい。

忙しくなってくると庭の花をほとんど見ていないことがある。いろんな花が咲いているのに、花が目に入らないのだ。
もっとゆったり、ゆっくり生きる方がいいと思うのだが…。
娘は、ときどき「猫じゃらし」みたいな草を採ってきて、コップに生けてテーブルに飾ったりする。遊んでいる中でそういうものに心が引かれるのだろう。まわりの自然が胸の内に染みこんで心を動かされるような生活は、豊かな人間の生き方のように思う。
見えているのに、そういう自然の変化を感じ取れない生き方は、何かを見失っているようだ。
人間を45年体験してきて、知ったことは多かったが、知らないことの方がものすごくたくさんある。物事の一つ一つを極めることはできない。一つ一つの物事には、それぞれ無限の世界が広がっている。無限の世界と無限の世界が絡み合って、人間のまわりには非常に豊かな世界が展開されている。
永遠は、ただ単に未来に向かって無限に開かれているだけではなく、どんなに小さなものの中にも存在していて、人間はそれを汲みつくすことはできない。
だからこそ、人間の認識には限りがない。
花の名前を知ったら、その花がどういう種目の花なのかを知る手助けにもなるし、花言葉を知れば、その花に込められた人間の思いや花にまつわる物語を知ることもできるかも知れない。花の名前が分かれば、栽培の仕方を知る道が開かれるだろう。また実際に栽培していけば、生物の持つ微妙な特性に触れることにもなる。
農家の人の中には、植物の持つ微妙な変化を実にうれしそうに話す人がいる。
今年、ピーマンの苗を14本もらったが、ぼくに苗をくれた人は、ピーマンのことについて実に豊かな知識を持っていた。
人間にとって難しいのは、人間の人生のスパンよりも長いスパンを持った地球の運動を研究することだろう。地震のメカニズムを解明するためには、何世代にも渡る共同研究が必要になる。こういうバトンタッチを意識できる時代に現代はなっていると思うが、集団的な研究が、次の世代に意識的に受け継がれるようになったのは、つい最近のことではなかろうか。
人類は、人類が築き上げた科学の成果をようやく自由自在に学べる地点に立っている。先人の天才たちが生涯をかけて研究した成果を学んでいけば、ぼくたちのような普通の人間でも、天才の方々の肩の上に乗ることはできる。天才たちが生涯をかけても見ることができなかった新しい地平を、現在の研究者は見ることが可能になった。
学べば手に入るものがあるのに、便利になった生活の中で、学ぶ姿勢が弱まっている傾向がある。技術の水準は高いのに、それを理解している人は限られている。
高い技術水準と人間の認識の空洞化──そこから生まれる技術のブラックボックス化と非合理主義──これも現代の特徴だろう。
なぜ人間は学ぶのだろう。
勉強の意味はいったいどこにあるのだろう。
未知との遭遇──真実を探求することによって得られる新しい視野と新しい世界観。
人間の固定観念を幾重にも打ち壊していき、たえず認識のメタモルフォーゼを味合わせてくれる喜びと興奮。ここに学問のおもしろさがあると思う。
大人になって幸せになるために。人生の成功者になるために。勉強するということも大切だろうが、学問そのものが持つ魅力、学ぶことが持つ哲学的な魅力と興奮を味わうことが大切なように思う。
「なぜ学ぶのか」という疑問に学校は豊かに答えを返していき、学問の力を子どもたちに伝えてほしい。
一つの花から始まる無限と永遠。そこに学問の魅力がある。自分の目の前には、魅力に満ちた未知の世界が広がっている。豊かな真実に分け入ることは、自分を豊かにしてくれる道に分け入ることになる。
目の前に広がっているのは、実に豊かな広き門。
広き門より入れ、しかし、学びにいたる道は険しく、その峰は高い。


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Posted by 東芝 弘明