議会の権能

雑感,出来事

午前中、打ち合わせの後、zoom会議できちんと映像配信ができるかどうか、試験をさせていただいた。一番気になっていたのはマイクがハウリングしないかどうかだったが、会場の音声をパソコンでひらうという形にすれば一応大丈夫という感じだった。MacにiPhoneのデザリングという形なのでスペック的には最高だといってもいいだろう。

午後1時30分から全員協議会があり、庁舎建築について報告を受け質疑が行われた。3つの候補地が出され、浸水地域以外のところに庁舎を建てるということになっており、近く庁舎建設の審議会で候補地が絞られることになっている。しかし、井本町長時代から予定されていた建設場所を白紙撤回し、別の場所に建設することについて、町民にはまだきちんとした態度表明がなされていない。町は、場所の絞り込みができたら庁舎建設についての考え方を町民に示したいということだった。

意見の中には二元代表制だから議会も場所選定の案から参加すべきではないかというような趣旨のものもあったが、議会は自治体の最終意思決定機関なので、案の段階から意思決定に加わり、最終段階でも意見を述べるというのは、基本条例の考え方ではないと思ったので、基本条例を踏まえて意見を言わせてもらった。実は、議会は基本条例ができる以前は、各種審議会にも参画しており、全ての議員ではないが町の意思形成過程にも加わっていた。町にとって数名の議員を審議会に加えて意見を聞くというのは、意思形成過程の一翼を数人の議員に担ってもらえれば、議会審議もしやすいという意識が働いていた。

議会基本条例の第6条は、「町長その他の執行機関との立場の違いを踏まえ」と書かれ、また審議会に議員は加わらないという規定がある。

第6条 議会及び議員は、町長その他の執行機関(以下「町長等」という。)との立場及び権能の違いを踏まえ、議会機能を十分に発揮した議会活動を行うことにより、議会審議における町長等との緊張関係の保持に努めなければならない。
2 議員は、町長等が任命する法定外諮問機関及び審議会等の委員に原則として就任しないものとする。

議会が同意しなかったら、自治体は最終的な態度が決まらないというこの仕組みには重いものがある。自治体は、幾重にも意思統一を積み重ね、議会に議案を出してくる。中には審議会の議論を経たものもある。しかし、議会による議案の修正、もしくは否決というチェックをへて議案は可決される。以前片山善博さんが、鳥取県知事だった時代に、議会に対して大いに議案の修正をして下さいと言っていたのは、行政として徹底的な審議を経て議会に議案を出す努力はしているが、住民の代表である議会は、さらに意見を加えて議案を修正していただいていいという意味だった。

最近、和歌山県議会は、県教育委員会の高校再編の議案に対して、さまざまな意見を出すことによって、原案をそのまま決定することができなくなった。その結果、県教育委員会はある程度方針を緩和せざるを得なくなって、年明けから再出発した。

議会の権能というのはこういうものだ。意思決定のプロセスに関わって一緒に当局の方針を作成して、最終段階でもさらにチェックするというのは、議会のすべきことではないだろう。話を聞きながら、ぼくはそういうことを考えていた。

夜は紀の川市で会議があった。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

雑感,出来事

Posted by 東芝 弘明