議員報酬月額1万5000円、引き上げ

かつらぎ町議会

議員8人による議案によって、かつらぎ町の議員報酬は、月額23万円から24万5000円に引き上げられ、常任委員長と特別委員会委員長に対しても月額5000円、報酬加算が行われた。この引き上げによって議長は月額31万5000円、副議長は26万5000円となった。施行日は7月27日。現在の議員の任期が切れる翌日から実施する。

これとは別議案で議員の政務活動費が新設された。こちらの方は、月額15000円を基礎とし年18万円を上限とするもの。
日本共産党議員団は、議員報酬の引き上げには反対した。反対討論を紹介する。

議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例制定についての反対討論


議案第56号、議員報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例制定について反対討論を行います。
議員報酬の引き上げは、議員のなり手不足の解消のためにも、どうしても必要だと思います。
また、専門知識を持って議員に専念する必要が高まっている点からいって、生活のできる議員報酬への引き上げを求める必要性があることも理解しています。
地方自治体の事業は、小泉改革以降、極めて複雑になり、事業を読み解くためには、専門的な知識を必要とするよう変化してきました。その結果、行政の仕事を読み解くためには、不断の努力が必要になっています。したがって、住民の代表である議員の仕事は、名誉職的なものではなく職業的な性格を有していると思っています。
しかし、今のこの時期に報酬を引き上げるべきではありません。その理由は2つあります。
一つは、民意とまったく食い違っているということです。議員定数・報酬調査特別委員会は、議会モニター及び自治区長会との懇談会を行い、その後で住民アンケートを採りました。その結果、議会活動に対し、一定の理解があった議会モニターと自治区長からは、報酬が低すぎる、上げるべきだという意見が多数を占めました。しかし、住民アンケートでは、議員報酬を「増やしてもよい」という意見は、わずか11.7%でした。「住民の率直な意見を聞きたい」と言って実施したアンケートには住民の明確な意思が表れたということです。
懇談会とアンケートの結果を踏まえれば、報酬の引き上げはただちに実施できない、実施するためには住民との意見交換が必要であり、議員活動を理解してもらうためには議会は汗をかかなければならないということでした。また、議員活動の内容が伝わっている議会モニターと自治区長会の例が示すように、議員活動の内容が伝われば、報酬の引き上げにも理解を示してもらえる展望を持てることも明らかでした。議員は住民の代表です。自分たちの思惑や主観よりも、住民の意向を優先するのが議員の取るべき態度です。それが自分たちの手で実施したアンケートに対する責任です。
今回、多数の議員が町当局に申し出て、報酬審議会に検討を依頼するというおかしなことが起こりました。議会が合意して審議会にかけるというのであれば、理解できますが、多数議員だけでこのような申し出を行ったこと自体、問題をはらむものだと思います。
もう一つの反対理由は、今目の前で起こっている物価高の中で議員報酬を引き上げるのは許されないということです。住民生活は賃金が上がらない中で苦しめられており、年金生活者は物価上昇の中で0.4%年金が下げられるという事態に直面しています。
議員は住民の代表です。物価高で生活苦が広がっている時期に、報酬を「減額すべき」と「現状維持」が合計で61.6%もあったのに、この民意に逆らって報酬を引き上げるのは許されません。
自分たちの思惑だけで議員活動を行うのは、住民の代表である議員というものを自ら否定するものです。
議員が目指したい方向と住民の意見が食い違うことは多々あります。民意と食い違った場合は、合意を得る努力が必要です。国民は、政治に国民の声が届かないという思いを強くもっています。そこから深い政治不信が生じています。かつらぎ町議会が政治不信を広げるのはいかがなものか。住民の代表とは何なのか、民意とは何なのか。このことを根本的に問いかけて反対討論を終わります。


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かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明