女性のトイレ確保の陳情には賛成した

かつらぎ町議会

女性のトイレの維持及び安心安全の確保についての陳情には賛成した。この陳情は賛成少数で不採択となった。

ぼくは、厚生文教常任委員会の委員長だったので、委員会で不採択になった「女性のトイレの維持及び安心安全の確保について」の陳情に対し、委員長報告し、その後討論の段階では、この陳情に賛成する討論を行った。
委員長は、委員会では態度を表明できないので、委員の議論を見守った。しかし、この陳情には賛成だったので、賛成討論を準備し討論を行ったのだ。こういうことが議会ではできる。議会の委員会の長は委員会を代表するものではなくて、委員会の議事を運営する責任を持っている。したがって委員会の結果に委員長は縛られない。議員の取る態度と委員会の結果とは区別されている。
こういうことなので、委員会で不採択になった議案に対し、委員長が賛成することはありうるということになる。
反対討論を紹介する。

陳情書「女性トイレの維持及びその安全の確保について」の賛成討論

陳情第1号 「女性トイレの維持及びその安全の確保について」に対する陳情書に賛成の立場から討論を行います。
この陳情の趣旨は、労働安全衛生規則第628条及び事務所衛生基準規則第17条所定の事業所トイレの大原則である「男性用と女性用に区別して設けること」に対し、今後もこれをくずさないよう厚生労働省に求めるとともに、「公的な建物内、公衆便所や大規模小売店舗等の不特定多数が使うトイレにつき、女性トイレはすべからく維持し、またこれらのトイレにおいて、女性の安心安全という権利法益を守るべく諸方策をとるよう国に申し入れて頂きたく陳情するもの」です。この陳情書は、採択されると国に意見書を提出することになるものです。
陳情書を提出された団体は、「女性スペースを守る会」であり、神奈川県の大和法律事務所内に連絡先をおくものです。
この会の設立趣意書が資料として添付されていますが、この設立趣意書と陳情書とは区別して審議を行うのは当然です。
陳情の趣旨は女性トイレの確保を求めるもので、特に多目的トイレなどの独立個室型だけで足りる動きがでることを懸念するものでした。
多目的トイレは、かつらぎ町の庁舎内や総合文化会館や町内の駅のトイレ、道の駅等にもあり、全国のショッピングモールなどにもよく見受けられるものです。多目的トイレは、男女ともに利用ができるものであり、中から施錠できる形式を取っており、授乳やオストメイト機能もついているところが多く、重要な役割を果たしています。
しかし、一方で若い子育て中の保護者の中には、多目的トイレに置ける犯罪が多いことを懸念する声があり、ショッピングモールなどで小さい子どもが使用する際には、中に人が潜んでいないかどうかを確認した上で、トイレの前で待ってあげるという対策を講じる必要性があることを強く訴えている人々がいます。
多目的トイレだけでは危険が大きくなるのはよく分かります。今回の陳情書は、若い保護者の人々の懸念と認識を共有するものだと思われ、女性トイレの維持を求める声はよく理解できます。

私たち議員は、住民の請願や陳情と向き合うときに必要なのは、趣旨を理解する努力を行うとともに、法律の成立過程やその背景などについても調査することが求められます。どうすれば住民の願いに寄り添うことができるのか。これが請願や陳情に対する基本姿勢でなければならないと思います。また同時にこれらの請願や陳情に賛成することが問題の解決につながらなかったり、実現が不可能である場合などは、問題点を見極めた上で不採択という態度を取るのは当然だと思います。
こういう視点から言って、今回の女性トイレの維持については、当然賛成すべき内容だと理解します。また、さらなる法整備や基準の発展、小規模な企業や個人商店などへの支援なども視野に入れて「女性の安心安全という権利法益を守るべく諸方策をとるよう」意見書を提出する意義は小さくないと思います。以上に視点に立って、この陳情は採択すべきだということを訴えて賛成討論と致します。


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かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明