与党は当局議案に何でも賛成

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臨時議会が開かれた。
専決処分が2件、議案が1件。議案は、国民健康保険税の税率を確定する議案だった。かつらぎ町は、全体の医療費の額と収入を推計して、賦課割合を決め、1人あたりの国保税額を算定する。そのあと、必要な国民健康保険税の税率を確定する作業をおこなう。したがって、国保税率は値上げをおこなわないときでも毎年、微妙に変化する。
賦課割合が決まっていても、被保険者の所得の変動、資産の変化がおこったりしてさまざまな変動が起こると国保税収入は変化する。賦課割合というのは、国民健康保険税の場合、所得割、資産割、個人均等割、世帯平等割の割合のことだ。本町の場合、賦課割合は、所得割35%、資産割17%、均等割33%、平等割15%となっている。この賦課割合を正確に税に反映させるためには、最終的に税率による調整が必要になる。
これが、税率を微調整する理由だ。本町は、この賦課割合を正確に守るために、実際賦課するときに税率による微調整をおこなう。
以前は、この微調整を町長の専決処分でおこなっていた。しかし、今から10数年前、国保税が大幅に値上げされたときに、「税率の確定によって、保険税が決まる。専決処分で税率を確定するのは、民主的な意思決定に反する」というぼくの指摘を受けとめた町長の判断によって、臨時議会が開催されることとなった。
これ以後、かつらぎ町は、5月に臨時議会が開かれている。
他の市町村は、かつらぎ町のような微調整をおこなっていないことが多い。賦課割合を貫くために税率をさわるということをしていないのだ。
こうなると国民健康保険税の会計は、かなり丼勘定になる。課税段階で使われる数字は、税率なので、税率をさわらない場合は、毎年所得状況や資産状況によって収入が変動することになる。
かつらぎ町のやり方は、そういう意味で良心的だと言える。予算段階の積算を正確に保険税に反映させているといってよい。
しかし、国保税は高い。年収240万円の4人家族で保険税は、21万7000円にもなった。この国保税額は、2割軽減が実施されたあとの税額だ。値上げされているので前年度比で1万8300円も負担増になっている。
7割、5割、2割軽減世帯の世帯数は、被保険者の中の57.57%を占める。この軽減は、法定軽減世帯と呼ばれるが、約6割の世帯は、所得が低いので軽減世帯になっているということだ。
ぼくは、「町民の負担は限界を超えている。かつらぎ町の国保税はすでに制度的に破綻している」という主旨の反対討論をおこなった。
即興で質疑と反対討論をおこなったので、賛成討論はなかった。
議会がチェック機能を果たしているのかどうか。
こういう点が今問われているが、かつらぎ町の場合は、ぼくが議員になってから、党当局が提案した議案で、否決されたのは、人事案件1件しかない。それ以外の議案は、すべて、無修正で可決されてきた。
17年の歴史の中で、かつらぎ町は、政策的にまったく誤りを犯さなかったということだろうか。かつらぎ町は、行政運営について、天才の集団なのだろうか。
保守系議員のとってきた何でも賛成の態度は、行政はつねに100点満点だったと断言していることに等しい。
しかし、17年間、誤りを犯してこなかった行政というのはありえないのではなかろうか。
日本共産党は、「議会はオール与党化している」と論評してきたが、すべての議案に何でも賛成してきた態度にオール与党という姿勢が現れているのではなかろうか。
日本共産党は、議案に対して是々非々の態度をとってきた。1つの議会で、いくつかの議案については反対の態度をとる。修正の提案もおこなってきた。議会が、行政のチェック機能をもつということは、議案に反対することもあれば、修正することもあるということだろう。
反対も修正もしないということは、議会の機能停止、判断停止なのかも知れない。
何でも賛成の態度から、よりよい行政が生まれるのだろうか。


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Posted by 東芝 弘明