あなたの一般質問はこうすれば劇的に良くなる

雑感

『セミナー講師の教科書』(立石剛著)という本を読んだ。面白かった。「あなたもセミナー講師になれる」という問いかけは魅力的だった。だからと言って、ぼくがセミナー講師を目指すというのではない。ただ「自分ができるセミナーがあるはずだ」という問いかけは魅力的だった。

話を組み立てると、ぼくにできるセミナーの筆頭に上がるのは、「あなたの一般質問は、こうすれば劇的に良くなる」というものだ。
かつらぎ町は1問1答方式に移行して久しい。ぼくは、議員になってからの33年間、すべての定例議会で一般質問を行い、自分の質問方法を改善してきた。このノウハウをまとめて話をすれば、多くの議員が悩んでいる「もっと一般質問がうまくなりたい」という願いに応えられることが見えてきた。
もちろんぼくは生身の人間なので、完璧な一般質問なんてしたことがない。いつも質問を終わると、ここが駄目だった、あそこはこうすれば良かったと思うことの方が多い。ただ、反省することが多かったので、質問の方法論が、自分で試行錯誤の中から生まれてきた。このノウハウを伝えるのは、社会にとって有益だろうと思う。

ノウハウは、表面的なテクニックではない。どうすれば、自分の質問を通じて住民の要求が実現するか、これを内容豊かに、しかも議員であれば、みんなできるようになる方法論を伝授したいということだ。セミナーの流れを思いつくままに書いてみよう。

  1. テーマ──絞ることが決定的 実現したいことを具体的に書く
  2. 通告──率直に考え方と結論を書く。隠さない。
  3. 資料収集──法律、新聞記事、政府資料、ネット検索など
  4. 取材1 全国の自治体に電話をかける
  5. 取材2 自治体を訪問して担当者に取材する
  6. 取材3 現場に行って話を聞く
  7. 当局とのヒアリングは丁寧に──実現するヒントはここにある
  8. 質問資料の作成──資料はプレゼンテーション資料と同じ
  9. 原稿作成──最後まで情報の収集を
  10. 質問原稿と答弁書──自治体職員の答弁書の怪
  11. 本番は真剣勝負
  12. 反省点と改善点

上記の12点はチェックポイントというのではなく、実際の質問準備の手順になる。この手順に従ってセミナーを展開すれば、面白い話ができる。そう思っている。
質問準備では、当局に全部手の内をさらけ出す。どんなに手の内を明らかにしても、当局の考えよりも深く情報を把握し、質問を組み立てれば、当局の考えを超えることはできる。当局に手の内を全部さらけ出して、ヒアリングを行えば、そのヒアリングからさらに深く準備ができるようになる。質問は生き物なので、原稿を作成してからもそこで終わりではない。

深く広く準備すれば、どんな球も打ち返せる。野球に例えれば、質問準備は徹底的な練習と同じ。本番は真剣勝負。
甲子園の決勝か、はたまたWBCの決勝戦か
という感じ。質問準備が本番を支える。もちろんうまくいかない場合は、エラー続き、ファアボール続きの草野球になることもある。
本番は真剣勝負だということを当局には伝えておく。原稿どおりになるかどうかは、保障できないことも伝えておく。そうすれば、地方自治体の議会は「学芸会と八百長」と呼ばれる「質問原稿と答弁書の朗読会」から離陸できる。答弁書をくれる自治体であれば、もらった答弁書に基づいて、さらに質問を練り直せばいい。「本番では変化球も投げますから」と伝えておけばいい。

そういう領域に行く前に、まずはテーマの設定と徹底的な調査。ここから質問準備が始まる。真剣に熱心に準備した上での真剣勝負は、面白く楽しい。


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雑感

Posted by 東芝 弘明