国民主権の実現への努力

雑感

日本共産党が選挙で伸びるかどうか。それは、ときどきのさまざまな要因に影響される。しかし、侵略戦争反対と国民主権を求める2つの運動とたたかいは、どちらも日本共産党の基本的な政治的スタンスとなってきた。1990年代に未来に向かっても憲法9条を守るという政策的展望を打ち出してからは、ここに憲法を守り完全実施を求めることが加わった。この侵略戦争反対と国民主権、憲法擁護の3点は、日本共産党とはどんな政党かを語るときに、簡潔に説明のできるものになっていると思う。

地方議員として33年間、活動してきて思うのは、国民主権をひたすら具体的に追求している姿は、いろいろな政治の流れの中にあって稀有なものになってきたし、戦後の具体的な政治の中で国民主権を追い求めてきた蓄積は、分厚いものになってきたということだ。国民主権の精神は、常に具体的な要求の実現を通じて自治体の政治を変えるという形で実現してきた。それは、憲法の精神を守り、それを地方自治体に生かし、福祉や教育などをよくする願いとして積み重ねてきたと言っていい。

日本共産党にとって、国民主権の実現というのは、抽象的なスローガンではない。いつも具体的な要求の具体的実現という文脈の中で探求しているものだ。この努力の一つ一つが、未来社会をつくることと繋がっている。
18歳までの医療費の無医療化も国保料(税)の引き下げも、学校給食の無料化も、保育所のさまざまな課題も、それらは国の政治と結びついており、地方自治体を通じて、国の政治のあり方を問いながら、同時に地方自治体で何ができるのかというものに貫かれてきた。

一つ一つの努力は、地方自治体というものが自主的で自律的なものであることを具体的に示す探究の道でもあった。
国民主権への道は、国民主権を実現しているはずの日本国憲法の下で、いつもホットな焦点になっている。国民主権の具体的な実現が、憲法の下でホットな課題になるのは、考えてみると変な話だが、国民主権に背を向ける政治の中では必要不可欠な対決、憲法を蔑ろにしてきた勢力との対決でもあった。

この努力の先に日本共産党の躍進がある。押し込められ後退しても、国民主権を具体的に追求する日本共産党の原点は変わらない。
今回の選挙では、戦争準備に対し、これを具体的に明らかにして、平和を守ることを訴え続けた。これが有権者の心を捉えたかと言えば心許なかった。しかし、時代の本質をついた指摘と訴えは、必ず大きな運動となって日本を動かすと思う。その中で政党の真価が問われる。こういう基本的な視点で選挙の結果を群る必要性もあると思っている。

歴史は弁証法的に進む。階級的な利害の対立の中で、ときどきの焦点が明らかになってくるが、後退は次の躍進を準備するという次の局面へとつながるものでもある。日本は、戦争準備へと舵を切っている。この中であらゆる問題が、より根本的に問われ始めている。この時代の中でぶれずに原点を守り、具体的に前を向いて進むことが求められている。
後退した時だからこそ、原点を再確認することが求められる。太く分厚く。


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雑感

Posted by 東芝 弘明