クビアカツヤカミキリの対策で研究所を訪問

議員の活動

朝10時から県の果樹試験場かき・もも研究所に行ってクビアカツヤカミキリ(長いので以下クビアカ)の被害状況と予防、防除などの対策の報告を受け、質疑をさせてもらった。参加者は奥村県議と高田元県議、門紀の川市議、髙本橋本市議、農業者で被害が出ている人、赤旗川崎記者、前副委員長、紀の川市委員会のメンバーなどだった。

和歌山県で発生しているクビアカは、大阪から入ってきたものらしい。日本に中国や韓国から入ってきたクビアカには、DNA鑑定によると6種類ほどあるようだ。農薬は、いままでバラ科の桃やスモモ、梅、桜などに使えていたものの中からクビアカの繁殖を抑えることのできるものの中から、効果のあるものを探しているのだという。

クビアカは、幹や樹皮の割れ目に卵を産みつける。産卵期は6月下旬~8月下旬で、1つの個体が産卵する数は、平均約350個も産むらしい。幼虫は1年〜3年ほど幹や枝の中に入り、木の導管という水を吸い上げている部分を食べて成長するようだ。木の導管が食べられると水を吸い上げることができなくなって枯死してしまう。クビアカの幼虫が木の中に入って木を食べると、フラスと呼ばれる木の粉のようなものが幹や木の根元にたまってくる。ときには枝にミンチ状のフラスが垂れ下がることもある。フラスを発見すると、掘り割り幼虫を見つけて殺すことが大事だという。クビアカの密度を減らすことがかなり重要なので、見つけたら通報してもらうことが大事で、早期発見、早期対策が繁殖を広げないという点でかなり大事なのだという。バラ科の木には桜もあるので桜対策も重要になる。果樹対策だけでは繁殖を抑えられないということでもある。

成虫も見つけたら首を切り落として殺さないと、交尾して卵を大量に産むので見つけたら駆除することが必要だ。

フラスには、クビアカ以外のカミキリ虫によってできるものもあるが、他のカミキリ虫は、クビアカのような枯死を引き起こすようなことにはならないらしい。県はクビアカ特有のフラスも紹介して、発見を呼びかけ、小学生を対象に「発見したら教えて」という啓発をしている。
発見したら木を消毒して卵が増えないよう努力する。予防としては木の根に白い細かな網を巻き付けるようにしたり、木の被害が深刻なときには、伐採したり、抜根したりして被害が他に広がらないようにすることが大切だ。

県は国に対し、災害対応と同じように改植と保障の制度を作るよう働きかけている。耕作放棄地における被害の拡大、農家の年齢が高いこともあって、被害を出たら、対策をあきらめてしまうケースがあるので、あきらめたら被害が拡大するので、そうならないよう働きかけているのだという。外来種が日本に入ってくると天敵がいないので、最初は被害が大きくなるのが一つの特徴らしい。しかし、日本の生態系の中で天敵(クビアカの幼虫を捕食するもの)が出てくると生態系に変化が起こるのだという。研究の一つには、日本にいる動物の中でクビアカの幼虫などを捕食するものがいるかどうかという研究も行われている。

どの農薬に効果があるかを研究するためにかき・もも試験場には、農薬を散布した枝をケースに入れ、農薬の効果を調べる施設が設置されていた。生態系がまだ十分調べ尽くせていないので、日々努力されている状況がよく分かった。
和歌山県は、被害発生からずっと努力をしてきた中で、被害は広がっているものの、かなり押さえ込んでいるという話をされていた。多くの県民がクビアカツヤカミキリの実態をよく知って、対策に協力してくれることが大事なので、啓発を強めたいと話していた。
冒頭の写真は、農薬の効果を調べる施設の写真。


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Posted by 東芝 弘明