奈良県を取材した

出来事,議員の活動

議会だより編集委員会に、委員長としてのラフレイアウトを提出することになっていたので、作成して出して議論した。基本的には、このレイアウトにもとづいて編集することになったので、議論は効率よく短縮された。

議会だより編集委員会の委員会が終了したので、ようやく一般質問の準備に入った。奈良県と日本共産党の奈良県議団に電話を入れて取材した。行政が語らない部分は、日本共産党県議団の女性議員に訊ねて教えてもらった。突然、アポイントもなしに指名もしないで議員団控え室に電話を入れて申し訳なかった。
和歌山県は新型コロナのクラスター対策で優秀だったが、奈良県は和歌山県の対応から学んで、和歌山県よりもはるか先に進んでいた。違いは、民主主義(国民主権)の立場に立っているかどうかにあった。

奈良県は、県民から見て分かりやすい新型コロナ対策を講じようとしている。違いは情報公開にある。県と市町村の情報は共有されているようだ。

「県民だより奈良」7月号には、左のような図がある。県民が「発熱外来認定医療機関」に直接アクセスできるような図がある。この「発熱外来認定医療機関」は、奈良県独自の仕組みだ。県の基準に基づいて新型コロナ対策をきちんと講じられる医療機関に手を上げてもらって、発熱外来に対応できる医療機関を組織する。昨日時点で手を上げた医療機関は62あるということだった。発熱外来を作って診察とPCR検査(検体採取)をおこない、こういう体制をとっていることを住民に医療機関が伝えるというものだ。

国の方針では発熱外来を公表しないというしばりがあった。10月以降、このしばりがようやく自治体判断で解除できるようになる。この点では国による方向転換が行われた。国の今回の方針転換は、かかりつけ医が「診療・検査医療機関」(ここでいう検査は抗体簡易検査など。必ずしもPCR検査ではない)を紹介して受診につなげるというものだ。インフルエンザや風邪が流行る時期に入ると、症状だけでは風邪なのか、インフルエンザなのか、コロナなのか見分けるのは難しい。そうなると大規模に新型コロナ診察のできる医療機関が必要になる。見分けの付かない患者が増えると、「診療・検査医療機関」を公表することが必要になるだろう。

奈良県は、国の方針にしばりがあった中で、奈良方式をあみだして「発熱外来医療機関」を打ち出した。今回の国の方針転換は、奈良県の取り組みに国が近づいたものだろう。
奈良県は、医療機関によるたらい回しが起こらないようにしたいということと、複数の受信できる仕組みを作って、保健所の機能がパンクしないようにするというものであり、同時にインフルエンザの流行期に備えた対策を視野に入れたものだ。「発熱外来医療機関」で採取した検体のPCR検査は民間の会社に委託するようになっている。現在は体制を整えている最中にあるようだ。この仕組みが全面的に機能したら、保健所を経由しないで診察と検査ができるようになる。国の方針の先を行っている。

図の下の写真は、生駒郡三郷町にある西和医療センターの発熱外来クリニックの紹介だ。「どうして公表されているんですか」と訊ねると、県の担当者は、「もともとこのセンターは感染症対策を行っている病院だからです。公表しない理由がありません」説明した。和歌山県にも感染症対策を日常的に講じている病院はあるけれど、奈良県のように新型コロナ対策を行っていますという形では公表されていない。
奈良県が積極的な医療対応を取ってきた中で、ドライブスルー検査は県内4カ所で行われ、奈良市と橿原市は、市独自にドライブスルー検査を行っている。また、奈良市と橿原市は、医師会が独自に検査キットを購入して、検体採取から検査までできるような体制もとられている。おそらくこの仕組みは、ドライブスルー検査とリンクしているのではないだろうか。この点も確認したい。
県が、医療体制の提供というオープン化を目指す中で、こういう変化が生まれているのを感じる。

和歌山県はこのような形にはまだなっていない。市町村と情報の共有をしない、医療体制についても一切公表しないという形で今まで来たので、PCR検査の体制強化も病院による診察の拡充もほとんど軌道に乗らず、診察ができる病院は、病院の努力によって体制が取れる医療機関のみで、どこでそれが実現しているのかは、手探りで探さなければ分からない。
「まずはかかりつけ医に相談して下さい」というアナウンスだけではうまく機能しないのは明らかだ。和歌山県も国の方針を受けて転換を図るだろうが、かなり立ち後れることになるだろう。

奈良県は、和歌山県の優秀なクラスター対策を学んでPCR検査を増やしてきたようだ。しかし、そこから先は和歌山県の新型コロナ対策を上回る仕組みを作って動いていた。和歌山県は、今度は奈良県から学ぶ必要がある。

情報の公開はコロナ対策の基本。その根底には国民主権の問題が横たわっている。この点を見据えて対策を求めていくことが重要だと思う。


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Posted by 東芝 弘明