M先生の告別式

出来事

ものすごくネット検索をした結果、今のMacBook Proよりもスペックの高いMacBook Proを79800円で購入した。2009年6月発売の物になる。メモリが倍の4GB、ハードディスクが320GBになった。おそらく明後日には自宅に届くだろう。今回の購入先はソフマップだった。
中古品を買う場合は、スペックとともにきちんと部品が揃っているかどうかが、重要になる。
ネットで入院先を検索して出張修理を頼んだが、持って帰ってもらって調べてもらうだけで8400円もかかってしまった。泣きの涙だ。

この夏に新しいMacBook Proを買う計画は中止せざるを得ない。今回手に入れたMacBook Proをあと2年は使いたい。壊れたMacBook Proはおいて置き、娘が直して使いたいという場合、考えることにしよう。

この記事は、iPadで書いている。どうも普通のMacよりも使い勝手が良くない。まずカーソル移動が出来ない。直したい場合、どんぴしゃりのところにカーソルを持っていくのが一苦労だ。日本語入力支援のソフトを探してみよう。

さて、今日は午前11時からM先生の告別式が行われた。ぼくは、元議員のTさんと一緒に会場に行った。小さな会場は弔問客であふれていた。ぼくの同級生のH君とJちゃんがすでに会場の中にいて、その横には一つしたのT君が立っていた。
新城小学校の卒業生にとって、M先生の存在は大きかった。会釈をすると目頭が熱くなった。
玄関を入ると先生の書と油絵が2枚飾られていた。多くの弔問客が書と絵を無言で眺めていた。

ぼくは、昨日、一人でこの会場にきて、霊安室に安置されていたM先生に線香をあげさせてもらった。先生の棺は小さかった。手を合わせると涙がこみ上げてきた。
先生と僕の母親は新城小学校で共に教壇に立つ同僚だった。2人は年齢も同じだったかもしれない。3年生と4生年の時に母親が担任だったぼくは、5年生と6年生の時にM先生に担任をしてもらった。僕に国語の授業を教えた2人は、激しく授業方法で議論をしたらしい。
当時、かつらぎ町にはオキヤマ式という授業方法が流行しており、ぼくの母は、この授業方法を実践していたようだ。2人の論争の中心はオキヤマ式の是非をめぐるもだった。

M先生の授業は、作者の手を離れた文学作品から、子供達が何を感じ取り学んでいくかというものであって、授業にはシナリオがなかった。子供が豊かに感じ取ったのを中心にみんなで議論をして、作品から豊かに感じ取るという授業がおこなわれていた。オキヤマ式は、この対極にあり、作者の意図を子供達に読み取らせるというものだった。
作者の意図は、小説の場合、作品の描写の中に込められているが、意図が読み取れなかったり、作品として破綻していることもある。もちろん、意図を超えていることもある。そこに文学の面白さと豊かさがある。M先生はこのことを深く理解した先生だった。教師の読み方がすべでではない。2人の論争の中心はここにあった。

2人の論争が決着したのは、ぼくの一言だったらしい。
「M先生の授業の方が面白い」
母の授業は、教師の授業のシナリオに沿って授業が動いて行き、M先生の授業は、子供たちとの生き生きとした格闘という違いがあった。

ぼくは、M先生に教えられた2年間の授業の内容をよく覚えている。それ以後、大学生になるまで授業の内容を記憶していることはほとんどなかったから、よほどM先生の授業が印象的だったのだろう。

手を合わして一人でいると、子ども時代のことがよみがえってきた。大人になって、M先生や母が歩いてきた道が、ぼくが選択した日本共産党という道と重なっていることが嬉しかった。ぼくは、M先生の教えの先に日本共産党を見出し、この選んだ道に先生がいることを誇りに感じてきた。

霊安室にくる前に、遺族の方の許可を得て赤旗の日刊紙に先生の死亡記事を掲載させていただくようお願いした。
「父もそのことを望んでいると思います」
という言葉が返ってきた。
死亡記事は、亡くなったことを数行で伝えるだけのものだが、ぼくにとっては忘れられない作業になった。M先生に恥ずかしくないような人生を歩きたい。手を合わせながら考えたのは、これからの生き方だった。棺におさめられているお顔を2度見て霊安室をあとにした。静かな時間を過ごせたことはありがたかった。

M先生を最後まで見送る人は多かった。多くの人が花を手向けていた。
「M先生と約束したので、来年も新城小学校の同窓会を開きたい」
「そうやな。できることがあったらいうてな。なんでもさせてもらうさかいに」
T君は、しみじみそう言った。
先生に教えられたぼくたちは、先生のことを鮮明に覚えている。心の中には、大きな声で笑い、話をしている先生がる。

安らかにお眠りください。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

出来事

Posted by 東芝 弘明