金剛山に登る
笠田育成協議会の行事で「金剛山登山」があり、スタッフの一員として参加した。
朝4時30分頃目が覚めたので、5時30分から新聞配達に行き、集合場所の笠田ふるさと交流館には朝7時30分に到着した。
6年生のM君が自転車で一番乗りしていた。聞くところによるとお母さんはギックリ腰になったようだ。
観光バスに乗った人数が29人、車の部隊が若干2人の計31人で8時過ぎに出発した。
いい天気だったので気持ちがいい。
金剛山の駐車場には雪が積もっており、生まれて初めてアイゼンを足につける作業から始まった。子どもたちはかなり苦労をしながらアイゼンをつけていた。ぼくは3年生の男の子にアイゼンをつけてあげた。さあ、いざ出発、という段階になって、
「私のアイゼンがない」という女の子がいた。
ぼくのアイゼンを貸してあげたので、N君と2人、右足と左足の片方だけアイゼンをつけて登ることになった。
坂道に子どもたちは弱い。
一言で言って体力がない。
「あとちょっと、あとちょっとって言うけど、いっこもつけへんやんか」
男の子たちは、かなりブーたれていた。
山頂に行くまでに下山する多くの人に出会った。
「こんにちは」「こんにちは」
山では、見知らぬ人同士、気楽に声をかけ会う。なかなか気持ちがいい。
山頂にはたくさんの人がいた。
そこで20分ほど休憩して、別の遊べるし、食べる事のできる広場に移動した。ぼくは、坂道で3年生のT君の背中を押してあげた。
彼は時々、道の横の誰もふんでない雪に足を突っ込みに行っていた。
子どもの頃、同じようなことをしていたなあということを思い出した。
休憩場所のいちばん端っこにおいしい麺類のお店があったので、Yさんといっしょに長い列に並んだ。
「カレーなんばん」「700円です」
山の中にしては安い。
2人でゆっくり食事をしているとN君から電話があり、しばらくするとN君が合流してきた。このお店は、スキーのゲレンデのふもとにあるロッジによく似ていた。
休憩した場所からロープウエイまでは5分ほどだった。2時をまわっていたのにたくさんの人が、まだ山頂目指して登ってくる。
バスのターミナルで運転手さんに声をかけた。
「今日はお客さん多いですか」
「ものすごく多いねえ」
そういう返事が返ってきた。
みんな明るい顔をして笠田に着いた。雪景色のなかを歩いてきたのに天気がよくて寒くなかった。なんだか晴れ晴れとした1日だった。