「エネルギー進化論」は面白い
朝、相談事があったので花園地域に行った。
上新城に入り最初の左カーブを曲がって直線になったところの左側にカフェができている。花園に向かうときにはまだ雨が降っていた。雨に濡れた新城の中を車で走る。静かな地域の中、山と山との間を縫うように走るという感じになった。所々、貴志川の流れが目に入ってくる。昨日からの雨で水かさが増している。
花園のトンネルをくぐり抜けると雨が止んでいた。
相談が終わってから、新城のカフェに立ち寄った。右折をして、小さな橋を渡り小さな坂道を少し登るとカフェの駐車場にたどり着く。店の名前は「フラワーガーデンAraki」だった。
玄関で靴を脱いで、スリッパを履いた。
「コーヒーだけでもいいですか」
「はい、いいですよ。暖かいのでよろしいですか」
明るい返事が返ってきた。
「どこでもお好きなところにお座りください」
そう言われて見渡すと、丸テーブルと椅子のところもあれば、畳の部屋に四角いテーブルと座椅子が置かれているようなところもあった。家はかなり広い。古い建物にずいぶん手を入れて改造しているのがよく分かる。窓が開け放たれていて、気持ちのよい空気が流れている。
丸テーブルと椅子のところに座って、コーヒーとケーキセットを注文した。
コーヒーが運ばれてきたので、「この地域の出身者です」と挨拶して、「議員をしています」と話しかけた。
女性の主人が少し相手をしてくれた。
お店は、使われていなかった家を改造して5月にオープンしたのだという。目の前のススキに手を入れて、コスモスなどを植え、花畑にするという話だった。
玄関は、土間を改造し台所を作りフロアをつくったと言っていた。大阪から新城に移住してきたのだという。
座った丸テーブルの後ろの小さな部屋は、雑貨を並べて販売していた。その部屋にCDのデッキが置かれて、クラッシックの曲が流されていた。
車に積んでいる箱の中から手元に持ってきたのは、福岡伸一さんと飯田哲也さんの新書版だ。福岡さんの本は読みかけで、飯田さんの本はまだ読んでいないものだった。
コーヒーとケーキをいただきながら、飯田さんの「エネルギー進化論」を少し読んだ。
この本は、自然エネルギーへの転換は現実的でないといういくつかの意見に対して、まずていねいな反論から始まっている。自然エネルギーに対する批判は、原発依存を続けたい勢力からの反論という性格が強い。これに対する誠実な反論には説得力があった。窓から見える新城の山の景色を眺めながら、自然エネルギーの本を読んでいると、印象が深くなった。
「今度はランチを食べに来たいな」
そんなことを思いながら、お店を後にした。
「エネルギー進化論」
この本を力にしたい。