5冊しめて350円

出来事

嵐になるという予報だったが、雨はそんなに降っていなかった。ただ、和歌山市で車から降りたときに傘がないのに気がついた。グリーンのチェック模様の傘は、一体どこに行ったんだろう(ここまで書いたら気になって、玄関の陶器型の大きな傘立てを見に行った。傘はそこにきちんと立てられていた。木の太い柄がついている傘。車に積んでおこうと思った)。

和歌山市からの帰り、打田にあるBOOK OFFに立ち寄った。その時も雨足はそんなに強くなかった。
立ち寄った目的は、ドラッカーだった。久しぶりに店内に入ると、DVDやBlu-rayの棚が広げられて、本のスペースが小さくなっていた。本の肩身が狭くなっている。軽いショックを感じた。BOOK OFFは、いつか本当にBOOK OFFになるのだろうか。

一番奥にビジネス関係の本が少し並べられていた。改めて見るとビジネス関係の本は少なかった。圧倒的に多いのは、小説だった。
BOOK OFFは、本の値段によって本を並べ分けている。ドラッカー関係の本は1冊しかなかった。会計学とドラッカーというものだったので、購入するのをやめて、少し背表紙を見て歩くことにした。
宮部みゆきさんの分厚い本を手にして、一番後ろを開く。500円という値札が貼られていた。古本でも比較的新しい本は値段が高い。出て間もないような本は、結構な値段がついている。宮部さんには、棚に戻ってもらうことにした。

そこから2つ本棚を離れた所に100円均一の文庫コーナーがあった。100円と書かれたコマーシャル用のラミネートカードが本棚に挿まれている。3冊で250円、5冊で350円とある。
背表紙を見つめていくと、本の並べ方が見えてくる。規則性を持って本が並べられている。目の前の本棚は、5段ぐらいの棚になっている。棚の下には、背表紙が見えるように本がうつむけられて2段に並べられている。棚の下を見ていると、阿川佐和子さんの本が7、8冊あった。
「あっ、阿川さんだ」
思わず心の中で言葉が踊った。今日の朝、「サワコの朝」で高橋克典さんとの楽しいトークで「会って」いたので、本が佐和子さんに見えた。
「あれまあ、こんな所に寝かされて」
そう思ったので、狭いところから一冊抜き出して手に持った。
『阿川佐和子のお見合い放浪記』
自分のお見合いをエッセイにするすご技に心が動く。どんな思いで書いたのかは、読まないと分からないが、佐和子さんの苦労が、100円という値札を貼られて、うつぶせにさせられているのは、何だか申し訳ない。
その後歩き回って手にした本は5冊になった。
『サワコの和』『おいしいおしゃべり』──この2冊は阿川佐和子さん。
『機関車先生』(伊集院静)、『海の物語』(灰谷健次郎)
『海の物語』は新潮文庫。この文庫には、栞紐(スピン)が付いている。
最近、適当な栞がないので名刺を挿んだり、レシートを挿んだりしていたので栞紐があると嬉しい。
コーヒー一杯分のお金で、5冊本を買った。この本によってぼくの人生は変わるかも知れない。

ドラッカーは阿川佐和子さん他2人に化けてしまった。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

出来事

Posted by 東芝 弘明