財政の健全化について。

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原稿の作成に一日かかってしまった。
特に時間がかかったのは、地方自治体の財政健全化法の解説記事だった。
かつらぎ町も、この新しい指標にもとづいて数値を公表した。
数値はいずれも、財政破たんを示さなかった。
数値的にいえば、破たんするような状況にはない。
住民からよく聞かれる。
「かつらぎ町にはお金がないんでしょう」
確かに財源的には厳しくなっている。
借金もあり、ローンの返済もある。
しかし、貯金もある。
それぞれの家計を考えてほしい。
たとえばわが家。
家のローンに2000万円以上の残高がある。
同時に一生懸命貯金をしている。
ローンの返済のために毎月予算を組み、年間かなりの返済をしている。
時々月単位でいえば赤字が発生する。そういうときは、慶弔費という特別会計から生活費を借りたりしている。
家の会計以外に妻の小遣いやぼくの小遣い、娘の小遣いがある。
それぞれの会計は独立しているが、同時にお金のやり取りもある。
会計は厳しい=しかし、赤字ではない。
かつらぎ町も会計は厳しいが赤字ではない。
町長は、しきりに「お金がない」と言っている。大きな借金もある。しかし、同時に会計は黒字だ。
かつらぎ町の会計と家庭の会計には違いがある。
一つは、自治体には、人間と同じような寿命がないということ。
自動的に入ってくる税収があり、福祉や教育をまかなっている国庫負担や交付税という仕組みがある。
黙っていても予算は組める。
また、事業をおこすときには、補助金をいただけるようになるし、起債が認められる。
地方自治体の借金のほとんどは、赤字になってできたものではなく、公共工事をおこなうたびに、財源を確保するために、国の指導や県の指導の下で借金が認められてきたことの積み重ねによってできたものだ。
会計が赤字になってお金がなくなった場合、借金をして財源を確保しているのは、国であって、地方にはそんな例は少ない。地方自治体で赤字を埋めるために債券を発行し財源を確保したり、繰上充用金といって、翌年度の会計から前借りするような事態になるとかなり深刻になってくる。
かつらぎ町は、赤字になったが為に発行した債券は皆無であり、繰上充用金なども、少なくともここ20年間はしたことがない。
借金は、130億円を超えているが、毎年の返済は6億9000万円程度だ。国の新しい健全化基準から言えば、この返済額は財政が破たんするようなものではないといえる。
かつらぎ町は、夕張市のような事態にはならない。
なるためには、法外な事業計画が必要になる。
ただし、毎年の会計を黒字にしていく努力を怠ると破たんする可能性はある。収支のバランスを取って身の丈にあった会計運営をすることが求められる。ここで失敗をし、累積赤字を積み上げていくと財政は破たんしてしまう。そうならないように涙ぐましい努力をしている。
したがって、財政が厳しいが、会計は黒字という事態を続けている。
「夕張のようになる」
という人がいれば、それはデマだと言わなければなるまい。


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Posted by 東芝 弘明