温暖化問題と予算質疑の準備

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朝から予算質疑の準備と赤旗読者ニュース「清流」の記事作成した。「清流」は地球温暖化の意見書に関連する記事の第2弾。記事の予定を変更して、政府方針が取っている特異な態度についての紹介と批判をおこなった。
地球温暖化をめぐる議論は、日本ではおかしなことになっている。
1つめは、温暖化そのものを疑問視する議論が横行していること。温暖化そのものを否定する論調、京都議定書を不平等条約だという論調、日本社会を世界で有数のCO2削減国だという論調、企業におけるCO2削減はものすごく進んでいるという論調など上げればきりがない。──こういう議論が横行する要因の一つには日本政府の態度がある。日本政府の態度が最大の問題だと言ってもいい。
2つめは、国民生活レベルの温暖化防止対策ばかりが目立ち、日本社会全体の削減がまともに議論されていないということ。とくに産業部門の削減が進まないどころか、増加していることをまともに取り上げず、企業の自主的な削減計画に期待するだけになっている。──こういう方針を取ってきた結果、日本は温室効果ガスの排出を増やしてきた。
3つめは、先進国の果たすべき役割と発展途上国の役割を意図的に混同させ、「共通だが差異ある責任」という合意に日本政府自身が異を唱えていること。──この議論は、国際社会への挑戦になっている。
4つめは、原発依存を強め、原発があたかも温暖化防止の一番有力な方策であるかのような態度を取っていること。──原発は、確かにCO2の排出の少ない施設だが、核廃棄物の処理の方法が確立していない非常に未熟な技術しかない。地震大国日本で、原発の増設は、あらたな危険を引き起こす。廃棄物の処理方法が確立しない原発は、再生可能エネルギーではない。
ぼくは、日本政府の方針をこういう角度から紹介した。洞爺湖サミット直前に福田首相が出した福田ビジョンの紹介と批判が骨格になっている。
日本政府は、京都議定書に異を唱えている。個人的に印象に残ったのは、サンデープロジェクトに出席した安倍元総理の態度だ。あのとき安倍元首相は、1990年の基準年にさかのぼって温室効果ガスの削減を問題にするのはおかしいと言っていた。ぼくはテレビを見ながら、いったいこの人は何を言っているのか、京都議定書を批准しているのに、日本政府は、この京都議定書を否定するのかと感じた。
その後、少し調べていくと安倍さんは、福田ビジョンの立場を一生懸命真面目に語っていたことが見えてきたので、2度驚いた。
日本政府というのは、何だか悲しい存在だ。
アメリカと巨大企業には絶対に文句が言えないし、指導もできない。日本国民にとっては非常に不幸な存在だ。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)という国連の科学者の機関が、2007年に第4次報告を発表している。日本では、この第4次報告に異を唱える人も多い。しかし、この国連の機関には2500人を超える科学者が結集し、時間をかけて温暖化は90%以上の確立で進行していることを明らかにしたもの。
ウキペディアにIPCCの解説があったので引用しておこう。

気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)とは、国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構である。学術的な機関であり、地球温暖化に関する最新の知見の評価を行い、対策技術や政策の実現性やその効果、それが無い場合の被害想定結果などに関する科学的知見の評価を提供している。数年おきに発行される「評価報告書」(Assessment Report)は地球温暖化に関する世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約した報告書であり、国際政治および各国の政策に強い影響を与えつつある。


日本の論調にはかなり乱暴なものがある。批判するならば、少なくともIPCCの報告を解説した日本語の資料を読んで批判すべきだろう。日本語のと書いたのは、この報告書が英語で書かれており、かなりのページをようしているからだ。気象庁のページの要約版のURLを記載しておこう。
IPCC第4次評価報告書統合報告書政策決定者向け要約(文部科学省・経済産業省・気象庁・環境省)(PDF,3.29MB)
もし、この報告に異を唱えたい方がいれば、この要約版(22ページ)ぐらいは読んで反論してくださいね。
ヨーロッパ各国は、このIPCCの報告を受けて、2020年の中期目標、2050年の長期目標を持って、温室効果ガスの排出抑制に具体的に取り組んでいる。アメリカはブッシュ大統領時代に批准していた京都議定書から離脱していたが、オバマ大統領が選挙公約で温室効果ガスの排出削減を打ち出し、政権発足後、具体化の方向に動いている中で、変化が生まれはじめている。
日本政府のとっている態度は、まさに化石のような状況になりつつある。
今日は、こういう認識で、「清流」を書いた。
予算質疑は、まだ準備の段階。もう少し関連する論文を読んで準備に入る。あと2日しかない。
今日は夕食後もデスクワークだ。


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Posted by 東芝 弘明