ベスト・エッセイ集を全部買い求めて

雑感

71FAe6DiQUL配達の時には、雨足は強くなかったのに、8時前になると雨音が家の中にも聞こえてくるようになった。今日の雨の音は、何だか胸に染み込んできた。日常生活の中で、いつも音に敏感だというのではない。でも、ときどき、自然の変化や営みが胸に真っ直ぐに届くようなときがある。心の持ちようによって、そういうことが起こるのか、といえばそうだともいえない。

不意打ち

のように胸にしみてくるときがある。今日の雨音もそういう感じだった。

昨日、前畑秀子さんのことを書くのに、『人の匂ひ』というベスト・エッセイ集の中の1冊を本棚から取り出したので、あらためてこのエッセイ集を見返してみたくなった。この本に出会ったのは、ラジオの影響だった。誰だか忘れたのだが、このエッセイ集が出はじめた頃、くり返しこの本の中にあるエッセイがいいといって、紹介しているパーソナリティーの男性がいた。
ぼくが、この本を手に入れだしたときには、もう最初の本であった『耳ぶくろ』が単行本としてはすぐには手に入らない状態だった。手に入れたのは、2冊目の『午後おそい客』からだった。
最初の頃は、戦争に反対する心情が、戦争の時の体験と重なって書かれているものも多かった。それが、時代とともに少なくなり、「反戦」への思いが後退するような感じがしていた。それと合わせて、心に残る文章が少しずつ減っていくような感じもしていた。
でも、このエッセイ集は、ぼくの書く文章にさまざまな影響を与えてくれたと思っている。

今回、前畑さんのことを書く中で、ベスト・エッセイ集が2011年をもって終了していることを知った。そうなると、買い集めてみたくなった。新しい本で手に入るのは、数冊というような状態だったので、Amazonで中古本を検索した。持っていない本は9冊。検索するとすべて手に入れることができた。最初の本である『耳ぶくろ』まで手に入れることができた。送料込みで200数百円に納まった。
欲しい本が明確である場合、Amazonなどの古本の検索は、自宅にいるままなのに本を手元に運んできてくれる。
驚くべき時代になった。

1983年から2011年までの29冊。雨の降る日に紐解いて、エッセイの世界に浸るのもいい。再読すると鮮明に浮かび上がってくる懐かしい話も本の中にある。


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雑感

Posted by 東芝 弘明