不妊治療に自治体の独自助成を

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一般質問の原稿をまとめる過程で、一般質問の要約を作ることができたので、ここに掲載しておきます。質問のテーマは、不妊治療への独自助成と子宮頸がん予防接種を公費負担で行う提案についてです。
見出しは自分でつけました。かつらぎ町は、まだ議会の議事録をネット上に公開していないので、自分で作って公開することにします。
要約としたのは、話し言葉特有の持って回った言い方、不必要な言葉などを削除し、言い回し上分かりにくい表現になっていたものを若干整理したからです。
区切り線以下が一般質問です。53分程度の質問なのでかなり長くなりました。本町は一問一答形式なので、質問の臨場感は読み取っていただけると思います。
今回の質問は、 NPO法人Fine 現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会 がおこなった国会請願とアンケート調査を資料に使わせていただきました。転載不可となっていたので、すべて口頭による説明といたしました。この場を借りてお礼を申し上げます。


一般不妊治療と特定不妊治療への独自助成を求める
 発言通告に基づき、一般質問を行います。
 最初の質問は、不妊治療に対する助成制度の充実についてです。最近、ある女性の方から不妊治療の負担が重いので困っているという相談を受けました。今回の一般質問はこの相談から始まりました。
 不妊治療は、一般不妊治療と特定不妊治療の二つにわかれれています。特定不妊治療は国の制度であり、実施主体は都道府県です。一般不妊治療は、和歌山県の場合、県が制度設計を行っています。市町村が実施する場合は、県が2分の1の補助をするもので、県内30市町村のすべてがこの制度を実施しています。
 やすらぎ対策課長にお尋ねをいたします。一般不妊治療とは何か、特定不妊治療とは何か、それぞれの制度について、その内容、ご説明ください。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 一般不妊治療は、不妊治療の初期の段階で、特定不妊治療に当たらない人工授精等の治療になります。特定不妊治療は、不妊治療のうち、体外受精及び顕微授精について、経済的負担の軽減を図るために医療費の一部を助成する制度です。
 13番、東芝君。
 費用の助成の内容についても、それぞれご説明ください。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 一般不妊治療は、1年度につき、3万を限度しており、連続する2年間を対象としています。特定不妊治療は、1回につき15万を限度に1年度当たり2回まで助成を行っています。通算5年間の助成になります。
 13番、東芝君。
 課長の説明を踏まえて、一般不妊治療から質問を展開したいと思います。一般不妊治療は、体外受精と顕微授精を除く不妊治療のことで、保険適用されている治療と保険外の治療についても助成を行なっています。一般不妊治療は、女性の生理を安定させるための治療から始まります。薬の服用、排卵誘発剤の投与、体外受精を行うことも治療の中に入ります。一般不妊治療で妊娠できない場合は、特定不妊治療に移行します。一般不妊治療の制度が実施されたのは、和歌山県の場合は平成19年。実施されてまだ4年です。私に相談があった女性は、「月一度の注射でも8000円ほどかかる。これが毎月なので、負担が重い。薬の中には保険が効かないものもある」と言いました。また、「私の友達でも子どもができないで悩んでいる子が多い」と言い、「こんな制度があるのを知らんかった。みんなにも紹介したい。病院では教えてもらえなかった」と言いました。
 本町の実績をお尋ねします。一般不妊治療の3年間の助成の実績をご答弁ください。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 平成19年度では4組で、12万円の助成。平成20年度は10組で26万4070円。平成21年度は4組の9万760円の実績となっております。
 13番、東芝君。
 統計が十分ないのでよくわかりませんが、7組に1組が不妊で苦しんでいるという話があります。つまり14.3%のカップルが不妊問題を抱えているということです。かつらぎ町では約1 0 0人子どもが毎年生まれていますが、一般不妊治療の4組ないし10組というのは少ないほうだと思います。実績で紹介されたように助成の金額もほんのわずか。3万円の限度を超えていない実績になっていますが、途中から一般不妊治療から特定不妊治療に移った場合、途中で一般不妊治療打ち切りということになります。だから3万円に満たない実績が出ているのだと思います。
 特定不妊治療は、県に問い合わせました。平成19年度の助成件数は236件で、3300万円ということでした。かつらぎ町の人口に換算してみたんですが、換算すると5組弱になりました。したがって、平成19年度は一般と特定を合わせても10組弱が不妊治療の助成を受けたということが想定されます。
 県はこう言いました。
 「助成を受けないで治療を行っている人もおり、実態を把握しきれていない。制度を知らない人もいるし、中には制度を知っていてもプライバシー等で利用しない方がいる」。
 実際の不妊治療の実態をこの実績が反映していないということを見ていきたいと思います。不妊治療の問題に取り組んでいる団体にNPO法人ファインという団体があります。この団体は、なかなか声になりにくい不妊治療の問題を取り上げ、制度の改善を求め、国会に請願を提出しています。
 課長から説明があったように、特定不妊治療の助成は、年2回、1回15万円、5年間ですが、実際に特定不妊治療を受けている方は、年間4回ないし6回ぐらいチャレンジしているそうです。国の制度設計は十分な助成になっていないんです。
 なぜ、急いで6回もチャレンジするのかというと、年齢との勝負があるそうなんです。だんだんこの年齢が高まってくれば、非常に子どもを授かりにくくなってくるので、体力の関係もあるけれど、子どもを妊娠したいということで、国の制度設計である年2回を超えて治療を受けるケースが多いそうなんです。
 そういう中でファインは、年2回という回数の制限を取り払っていただきたいということを要求しています。
 夫婦合算の所得で730万円という所得制限があります。共働きの場合、超える人もいます。年齢の若い人はあんまり不妊治療を受けてないです。まだ、自然に妊娠する可能性があるだろうということで、治療も受けてないケースが多いのです。しかし、30歳を超えると所得が上がってきますよね。ですから、730万円という所得制限が共働きの場合は超えてくるケースがあり、所得制限の緩和ないし、撤廃を訴えてました。上限1 5 0万円は変えなくてもいいから、1年で何回でも受けれるようにしていただきたいという内容の請願になっています。
 ファインが国会に出した請願を見て私はびっくりしました。普通請願といったら2ページぐらいに収まってるでしょう。ファインが出した国会請願というのはA4で8ページあります。特定不妊治療で努力しているが、うまくいかずに苦労していることが、この請願を読めば全部わかります。
 この請願にもとづいて、内容を紹介したいと思います。日本は統計が十分取られていないので、昔は10組に1組が不妊問題を抱えていたといわれています。しかし、現在は環境ホルモンとか、さまざまなストレスの影響もあって、7組に1組ぐらいの割合でふえてるんではないかという指摘があるそうです。
 実際に治療を受けている方々にアンケートをこの団体は取っておりました。女性側に要因があるケースが41%。男性に要因があるケースが24%。男女ともに要因があるケースが24%あります。
 請願で紹介されている日本婦人学会の高度生殖補助医療についての報告には驚きました。高度生殖補助医療とは、特定不妊治療にあたる体外受精と顕微授精をさします。体外受精は、試験管で精子と卵子をまぜ合わせて自然に受精させる方法で、顕微授精は、卵子に管を刺して1つの精子を注入し受精させる方法です。この報告によると平成18年度の治療では、13万9467周期の治療を受けています。一人平均3回としても、1カップルで4万人以上の方が、高度生殖補助医療という特定不妊治療を受けていることになります。
 その中で生まれた子どもが、1万9587人あります。妊娠後経過を報告せず普通分娩に変わっていった人が3847人ということでした。これらの方が、すべて生んでいるとすれば、2万3434人が特定不妊治療で子どもを出産していることになります。これは全体の2%を占めます。1 0 0人いれば2人は高度生殖補助医療の力を借りて出産しているということです。一般不妊治療も合わせると、特定不妊治療の3倍ないし、5倍出産しているだろうと言われています。5倍であれば10%ですよね。3倍であれば6%の子どもが何らかの不妊治療を受けて、生まれてるということになります。
 平成18年度現在、体外受精による累積出生児数は17万4,456人に上っているそうです。不妊治療は特殊なケースではないかと思っていましたが、広く一般的におこなわれている治療だと思いました。
 かつらぎ町の2つあわせて10組くらいという不妊治療の実績は少なく、相談をしてきてくれた女性のように、制度を知らないまま高額の医療費を払っているケースもあれば、知っているけども利用していない人もあるということでしょう。こういう制度があるということをどうやって住民に伝えていくのかということが大きな課題になっています。
 私は一般不妊治療について、例えば3万円ないし、5万円程度の自治体独自の上乗せ助成を提案します。県は、県の制度に乗せて上乗せ補助をやることを積極的に認めています。田辺市が2万円の上乗せ補助をやり、三浜町が7万円の上乗せ補助を一般不妊治療に対して行っています。
 町長にお尋ねします。一般不妊治療にかつらぎ町独自の上乗せ助成を実施すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
 町長、山本君。
 お答えします。本当に子どもを授かりたいということで大変苦労しているということはよく知っております。医療費を入れると、出産する経費が高いので苦労していただいております。実績からすると本当に数少ない、まだ行き渡っていないというご指摘もありました。子どもを授かりたいというのは女性の悲願であると思います。できるだけ実施できるように総合的に考えていきたいと思います。
 13番、東芝君。
 前向きな答弁をいただきました。現在の実績からすれば、例えば3万円の上乗せでプラス30万円です。満額使ったとして、5万円でプラス50万円という非常に小さな助成になります。そこから出発して、ある程度はもう少し利用する方が広がっていけば、ありがたいなと思います。
 やすらぎ対策課長にお尋ねします。一つは、和歌山県内の関係する医療機関に対して、独自助成を実現した時には、現在の制度も含めて、文章をつくって配布し、実際にこの不妊治療を受けている方々に、病院の側からアナウンスしていただけるような手だてを講じていただきたいということです。
 もう一つは、県内の医療機関だけでは、カバーしきれない問題があります。今回は特定不妊治療で、子どもを授かった人の話を聞くことができました。その方は兵庫まで行ってました。県に聞くと、和歌山県で特定不妊治療ができるのは、和歌山市と橋本市だと言っていました。しかし、和歌山県民の多くは、大阪とか、県外に出ているそうです。県内の医療機関に案内を出して、徹底してもらうだけでは、制度の趣旨が住民に伝わらないという問題を抱えてます。どうやって住民に制度の中身を知らせるのか。そのためには、ポスターをつくる必要があるし、町の広報の中に特別に案内を入れることも必要になるかもわかりません。趣旨の徹底のために、努力をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 上乗せの取り組みを行った上でのことだと思うんですが、医療機関の呼びかけ、広報、それからホームページ、あるいはパンフレットを作成して、配布させていただきます。県内の医療機関はできますが、県外はどこまでお願いできるかということがあります。できるだけ県外の方にもお願いします。
 一つ気になっているのは、現在でも、予算30万に対して、利用がその予算に達していないので、現行制度について、広報を通じて周知していきます。
 13番、東芝君。
 実績が限度額の3万円を下回ってる問題については、追跡調査をしていただきたいと思います。ケースによっては、年度の途中で特定不妊治療に移行していることもあると思います。実態をよく見ながら、制度設計をしていただきたいと思います。
 特定不妊治療に関する提案に進みます。特定不妊治療というのは、体外受精と顕微授精だということでした。場合によっては、卵子と精子を体の外に取り出して冷凍保存を行います。試験管の中で人工授精を行って、母体に戻すことが必要です。
 問題は、この治療については保険がきかないということです。すべて患者さんの自己負担です。保険がきかないので高額な負担が人々を苦しめています。
 ファインの請願では、身体的負担、精神的負担、経済的負担、時間的負担が重くのしかかっていると書かれています。
 体外受精というのは、年に4回から6回しか挑戦できないということだそうです。受精を確認をして、受精卵を母体に戻す作業をするわけなんですけども、受精卵がきちんと子宮の中に着床するかどうかが問題だということで、結果がわかるのは2週間後だそうなんです。しかし、卵子を取り出すこと事態にかなり体に負担がかかるみたいです。そういう中で、やってるということです。
 精神的な負担は非常に重く、生殖医療の現場では専門の心理士によるカウンセリングが行われています。自治体による不妊相談の必要性も指摘されはじめてます。 日本不妊カウンセリング学会という学会があり、不妊カウンセラーの養成が行われています。精神的負担は、経済的負担から出てきたり、自分の身体的な不安から出てきます。さらに、不妊治療は、時間的拘束がかなりあるので、仕事を持ちながら治療を続ける精神的な負担は重いようです。
 経済的負担はものすごいです。ファインが行ったアンケート調査も持ってきました。現在、行っている治療について質問されてます。これによると、1年未満が16・6%、1年から2年未満が24・8%、2年から5年未満が44・6%、これで86%を占めています。5年から10年未満の方が12%あります。体外受精の1回当たりの費用は、20万円から30万円未満が20・7%。30万円から50万円未満が54%。50万円以上が15・9%。体外受精の場合、平均で1回30万円ぐらいかかると言われています。国が1回15万円という制度設計をしたという根拠はここにあります。なぜ金額が定まらないかというと、夫婦の状態によって違いが当然出てくるからです。夫と妻の両方が課題を抱えている場合、妻が課題を抱えている場合、夫が課題を抱えている場合ということで対応が違ってきます。自由診療ですから、病院の費用計算の違いによって差が出てるということです。
 私は、出産を経験できた人から話を聞き、かかっていた病院の料金表をいただきました。この制度の中では、体外受精と顕微授精に分かれていますが、さらにもっと細かく分かれています。目をむくような料金設定がずらっと並んでいて、すごいなと思いました。顕微授精になると値段が高くなります。顕微授精の場合は、30万から50万円が48・2%で半数近く。50万円以上が30・1%を占めています。年に3回、4回挑戦する方で1回50万円かかったとしたら、4回やれば200万円かかります。
 アンケートに生の声が載ってました。紹介します。時間的な負担もこのアンケートにはにじみ出ています。
 「共働きで治療費捻出を試みたが、治療養が家計を圧迫し、2年間治療を断念せざるを得なかった。」
 「すぐにでも体外受精をしたいが、お金がなくてできない。」
 「こうしているうちに、どんどん年齢を重ねてしまうと思うと、毎月涙が出る。」
 「次の治療を予定していたが、お金の都合がつかず、病院に延期してもらった。」
 「悲しいです。費用が高過ぎて、だめだったときには落ち込みがさらにひどくなる。」
 「毎日の注射代が高額で本当につらい。しかも、治療しているとフルタイムでは働けない。」
 「通院するために勤務時間を減らした結果、収入が減り、治療自体ができなくなるジレンマが生じる。」
 「病欠扱いになればいいと思い、とにかく借金だらけになり、医療費だけで家計が火の車です。」
 「子どもを授かるかもしれないのに、治療のお金がないのが理由であきらめるのはとてもせつないです。」
 「本当に本当に苦しい。」
 町長にお尋ねをしたいと思うんですが、町長はこのような声に対して、どういう感想をお持ちでしょうか。
 町長、山本君。
 それは、女性の本質的な声だろうと思います。
 13番、東芝君。
 こういう声を受けて、和歌山県下では唯一田辺市が市独自の助成制度を持っています。調べてもらっていると思うんで、やすらぎ対策課長、どういう制度なのかご説明ください。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 県の特定不妊治療の15万に対して、さらに5万を町単独で、市単独で上乗せをしております。
 13番、東芝君。
 県に特定不妊治療を交付申請して、決定すると決定通知書が来ます。この決定通知書を田辺市の窓口に持っていけば、審査なしに助成してくれます。こういう方法です。町長にお尋ねしますが、本町でも田辺市のような助成制度を私は実施すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 町長、山本君。
 関連がございますので、十分総合的に検討させていただきたいと思います。
 13番、東芝君。
 私は、質問で少子化対策の一環として、施策の充実が必要だと思って質問を組み立てようとしました。不妊治療を行っている人々の苦しみが非常に大きいのを知って、少子化対策としてやるべきだというのは、おこがましい気持ちになりました。不妊治療という問題については、住民の苦しんでいる気持ちに率直に向き合って、行政として支援するということが、まず姿勢として何よりも大事なのではないかと思いました。行政の姿勢としては、この住民の苦しみに心を添え、施策の実現を目指していただきたいと思います。
子宮頸がんの予防接種を公費負担で
 2つ目の質問に移ります。子宮頸がんの予防接種についての質問です。子宮頸がんは他のがんとは異なり、原因が解明されているといわれ、昨年の秋にワクチン投与と定期的な検診で予防が可能な唯一のがんということで、紹介されはじめています。平野議員が3月議会で少しかつらぎ町の姿勢を正しました。
 検診が効果的なのは、がんになる前の状態である前がん病変というものを発見できるからです。子宮頸がんは、性交渉の低年齢化によって、20代30代での発症がふえています。20代の女性のもっとも多いがんが、子宮頸がんです。女性特有のがんの中では、乳がんについで多いがんが子宮頸がんであり、国内では年間1万5000人ぐらいが発症して、3500人が亡くなっています。
 やすらぎ対策課長にお尋ねをいたします。子宮頸がんとは、どのようながんなのか、ご説明ください。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 子宮の下部にある子宮頸部に発生するがんのことで、子宮内部にできる子宮がんの性質や治療法とは全く違ったもので、唯一予防できるがんが子宮がんだと言われております。
 13番、東芝君。
 もう少し説明つけ加えますと、ヒトパピローマウイルス、HPVと略されますが、このウイルスの感染によって、がんになるということです。性交渉でなぜ感染するのかというと、接触感染なんですよね。男性が持っているヒトパピローマウイルスが性交渉によって女性に感染します。女性の80%は一生に一度は感染していると言われています。ただ、感染しても2年ぐらいでこのウイルスは体外に流れています。しかし、感染した人の約10%の人の中で、感染が長期化し、中にはがんになる人が出るということです。検診を定期的に受ければ、早期発見ができ、手術も必要ですが、子どもを出産することができます。しかし、手おくれになった場合は、子宮を取り除く必要があり出産は当然望めなくなります。また命を落とす可能性もあります。
 HPVのうち、ワクチンは2種類のHPVにしか効果がないそうです。100種類もある中で、なぜこのワクチンが効果的なのかというと、2種類のHPVがHPVの8割を占めるからです。非常にハイリスクなウイルスに対する予防接種です。予防接種をすることによって、子宮頸がんになることは全くないし、HPVに感染することはありません。ワクチンは、抗体をつくるための人工的なものです。
 予防接種の効果については、資料によれば6・4年という記述もありましたし、20年もちますよという記述もありました。そういう中で、御坊市が県下初の予防接種を今年の7月から行おうとしています。どのような内容なのか、やすらぎ対策課長お答えください。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 小学6年生を対象に実施し、今年度は120名を対象に行われます。市指定の産婦人科と小児科による個別接種です。7月実施に向けて、小学校で保護者を対象に各学校の養護教諭、学校医、産婦人科医の医師を講師に説明会等を行うようです。
 13番、東芝君。
 費用はどうなってますか。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 1回1万7500円です。3回接種が必要なので一人当たり5万2500円となります。対象者が120人ということで、630万円、これは市の負担です。
 13番、東芝君。
 私が電話入れましたら担当の保健師の方が、1万7500円が1万7000円でよかったということで、少し予算よりも安くなると言ってました。問題は、この予防接種の個人負担が非常に大きいということなんです。これだけの費用負担があるとなかなか予防接種が進みません。公費負担のある国では90%の方が予防接種を行っているそうです。公費負担のない国である韓国の接種率は、2%から3%台という水準だそうです。
 私は、公費負担で行うべきだと思っています。子宮頸がんについて、正しい知識と予防方法をきちんと子どもに伝え、予防接種を行う必要があると考えます。御坊市も啓発のための講演会をひらいているということなんですが、同じような努力をかつらぎ町でも行う必要があると思います。この予防接種には、子宮頸がんになるリスクをかなり縮小します。しかし、がんにならないという保障を100%与えるものではありません。予防接種とともに2年に1回ぐらいの検診が必要です。予防接種と検診とをあわせてやっていけば、子宮頸がんを未然に防ぐことができるということです。
 しかし、10代の子どもが検診を受けるのは、なかなかハードルが高いです。細胞を少し取ったりしなければなりません。予防接種の場合は筋肉注射ですが、検診はそういうわけにはいきません。本当に子宮頸がんを予防しようと思えば、きちんと子どもたちに教育を受けてもらう必要があります。
 もう1点、やすらぎ対策課長にお尋ねします。かつらぎ町が全額公費負担で小学校6年生、もしくは中学校1年生に対して、予防接種を実施すれば、費用はどのくらいかかりますか。
 やすらぎ対策課長、田中君。
 現在の6年生を来年中学1年生ということで、計算しますと78名で409万5000円になります。現在小学校の5年生を来年小学校6年に実施するとして、65名で341万2500円となります。
 13番、東芝君。
 さっきの質問よりはずっと予算のかかる話になります。20代30代の若い女性の命を守る、がんから命を守るという点では意義のあることです。国でもこの子宮頸がんなどの予防接種については、制度のあり方を考えるべきだという質問がなされて、長妻さんは「検討したい」と回答しています。町長にお尋ねします。御坊市のように子宮頸がんの予防接種を公費負担で行う考えはないかどうか。いかがでしょうか。
 町長、山本君。
 総合的に検討するということが大事だと思うんです。今度は児童、生徒ということになりますので、教育委員会でも十分協議しながら、検討したいと思います。
 13番、東芝君。
 教育委員会の話が出ましたので、教育長にお尋ねします。子宮頸がんの予防接種については性教育の中にきちんと位置づけて、接種を受ける子どもたちに事前学習を行うことが非常に大事だと思うんです。
 子宮頸がんとはどのような病気なのか、なぜ予防接種と定期的な検診が必要なのか、このことを積極的に教える意義は深いと思います。
 また、性交渉が人間の営みとして大切なものだということ、予防接種と検診で自分の体を大切にすることが自分の命を守ることにつながること、自分が生み育てる可能性のある未来の子どもを守ることにつながること、それらの観点からも教育の課題として非常に大事な意味を持ってくるのではないでしょうか。
 教育長、下村君。
 性情報というのが大変氾濫しており、子どもたちの身体的な発育も以前に比べますと早まっておりますので、性教育は必要ですし、しなければならないと思っております。特に系統的な指導は、学校教育が負うべきところが多いので、小学校1年生から中学校3年に至るまで、義務教育の段階で、それぞれの発達段階においてすることになってございます。
 子宮頸がんの問題ですが、保護者一般の認識と今お話しいただいている話の間には大分ずれがございます。昨日も新聞を見ておりましたら、お医者さんが一般の人の認識と医者の認識の間には相当まだずれがあるということを書いておられました。
これは指導いたします教員についても同じようなことが言えると思っています。
 予防接種は、日本脳炎とかインフルエンザの予防接種につきましても、保護者の意向を踏まえることを今非常に大事にしています。先ほどの検診の問題も含めて、保護者の同意と保護者の付き添いという問題が起こってきます。費用の問題も含めて、今後検討すべきですが、子どもたちの性教育について教師の学習から取り組みを始める必要があると思っています。
 13番、東芝君。
 学校の中での予防接種は、保護者同伴ということになっています。かつらぎ町も学校の中での予防接種は、事実上不可能になり、現在は医療機関での接種に変わっています。
 御坊市が医療機関での接種になったのもこういう現実があるからです。学校の中で教育的にどう取り扱うかが課題になり、対応もしています。実施するためには幾つかの角度から検討が必要です。
 御坊市は性交渉の低年齢化というところに着目をして、小学校6年生に対して踏み切りました。しかし、抱えている病気の中身を十分子どもたちに理解してもらおうと思えば、中学校1年でもいいのではないかと私は思います。実施するということになれば、そういう角度からの検討もしていただきたいと思います。
 以上が私の今回の一般質問です。私は20年間、議会のたびごとに一般質問をしてきて、今回の一般質問がちょうど80回目の節目になりました。交通事故で一般質問できない危機が一回ありましたが、そのときも一般質問をすることができました。一般質問は、議員の個人の責任で行うものですが、質問に対する真剣な答弁は、かつらぎ町を一歩一歩前進させる力になってきたと思います。真剣な質問と真剣な答弁が、かつらぎ町の福祉の向上に寄与するものになることを期待して、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。


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Posted by 東芝 弘明