9月議会始まる

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今日から9月議会が始まった。人事では、8年勤めた内田勝巳教育長が任期満了で退任することになり、新しく下村克彦氏が選任された。ご苦労さまといいたい。
人権擁護委員も2人議会の同意を求められたので同意した。
人権擁護委員の任務については、改めて問い直させていただいた。人権擁護委員は、基本的人権の擁護を任務にしている。基本的人権という概念は幅広い。プライバシー権も、人格権も基本的人権の中に含まれる。したがって、名誉が毀損される事件が発生し、相談が持ちかけられたら、人権擁護委員会は、問題を重視して対応することが求められる。
ところで、国会では人権擁護法の導入が企てられている。この法案は、現在の人権擁護委員法とは似て非なるものだ。
人権擁護法案によれば、全国の2万人の人権擁護委員を統括する組織(人権擁護委員の委嘱をおこない、指揮監督する)として5人の人権委員会が設置される。この委員会は、両院の同意を得て内閣総理大臣が任命する。この委員会の任務は法案の第6条で次のように規定されている。

第 六条 人権委員会は、前条第一項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
  一  人権侵害による被害の救済及び予防に関すること。
  二  人権啓発及び民間における人権擁護運動の支援に関すること。
  三  人権擁護委員の委嘱、養成及び活動の充実に関すること。
  四  所掌事務に係る国際協力に関すること。
  五  前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき人権委員会に属させられた事務


しかもこの委員会は、令状なしに立ち入り調査をおこない、物品押収、出頭要求等の調査をおこなうことができるとされる。この委員会のもとに設置される人権擁護委員ならびに地域の人権擁護委員協議会は、現在とはまったく違った職責を負うようになる。
法案第28条は次のように規定している。

第 二十八条 人権擁護委員の職務は、次のとおりとする。
  一  人権尊重の理念を普及させ、及びそれに関する理解を深めるための啓発活動を行うこと。
  二  民間における人権擁護運動の推進に努めること。
  三  人権に関する相談に応ずること。
  四  人権侵害に関する情報を収集し、人権委員会に報告すること。
  五  第三十九条及び第四十一条の定めるところにより、人権侵害に関する調査及び人権侵害による被害の救済又は予防を図るための活動を行うこと。
  六  その他人権の擁護に努めること。


国に設置される人権委員会と同様の権限を持って地域で活動するということになる。人権侵害に関する調査と予防という言葉が恐ろしい。
この法律がいう人権侵害は、基本的人権を擁護することよりも狭い。
それは法案の(定義)によく現れている。

第二条 この法律において「人権侵害」とは、不当な差別、虐待その他の人権を侵害する行為をいう。
2  この法律において「社会的身分」とは、出生により決定される社会的な地位をいう。
3  この法律において「障害」とは、長期にわたり日常生活又は社会生活が相当な制限を受ける程度の身体障害、知的障害又は精神障害をいう。
4  この法律において「疾病」とは、その発症により長期にわたり日常生活又は社会生活が相当な制限を受ける状態となる感染症その他の疾患をいう。
5  この法律において「人種等」とは、人種、民族、信条、性別、社会的身分、門地、障害、疾病又は性的指向をいう。


この規定が自由権、平等権、社会権、参政権、請求権、幸福追求権、新しい権利(平和的生存権、環境権、知る権利、健康に生きる権利)など基本的人権すべてを擁護するものでないことは容易に見て取れるだろう。
この委員会は、任務からいって日常的に国民を監視することになる。
日本は確実に戦争をする国にかじを切り始め、戦争を始める前から、国民の基本的人権を制限し、有事(=日本国が積極的に作り出す有事のこと)には、国民を監視と統制のもとに置く仕組みを着実に作りつつある。この人権擁護法案も有事法制、国民保護法制、盗聴法とならんで国民への監視機構のひとつになるのは間違いない。
人権擁護委員の話から人権擁護法案にふれたので、話がふくらんでしまった。
9月議会では、決算の審査のために決算委員会が設置され、メンバーの人選もおこなわれる。今日は、6時前までかかって、9月補正の予算や条例案および各会計決算についての提案説明がおこなわれた。今回の議会から一般質問の通告の〆切が開会日初日になった。
9人の議員が一般質問の通告をおこなった。ぼくは8番目の質問者になった。


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Posted by 東芝 弘明