日本国憲法と教育改革

雑感

朝、久しぶりにカビキラーでお風呂の掃除をした。「混ぜるな危険」のカビキラーは、お風呂に残っているシャンプーやボディーソープ等の成分と混ざって、どうしてもガスが発生する。一番いいは掃除をして、そういうものを洗い流して、乾くのを待ってカビキラーをするということだろうが、なかなかそれはできない。夜のうちにしておくのがいちばんいいに違いないが、そういうことはしたことがない。
マスク?
しないでカビキラーをするので、発生したガスを吸ってしまう。
見た目、カビが取れてきれいになるので、定期的にカビキラーをしている。目地などのカビを全部取りたいが、どうしても完全には取り切れない。誰か完全に綺麗にする方法があれば伝授していただきたい。

フィンランドの教育をもう一度YouTubeで見て、さらに尾木直樹さんが紹介しているオランダの教育を見た。オランダの教育には100年間の改革の蓄積があるので、日本でいきなりここまで行くことは難しいだろう。しかし、フィンランドのような改革であれば、日本でもすぐに実行に移すことができる。フィンランドの改革の先にオランダの改革がある。この2つの国の間の改革にはどれだけの時間がかかるかはよく分からないが、学ぶ上で最も大切なのは、日本国憲法の精神を教育にどう生かすのかということだろう。
教育の基礎に据えるべきなのは、まずは憲法13条だろう。13条の規定は次のとおりだ。
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
子どもを対等平等の権利を有する1人の人間として尊重し、さらに個人の尊厳を徹底して保障する方向に向かって改革を重ねる。オランダでは、子どもが自主的に何を学ぶかを決めているが、学習の自己決定権を徹底して保障している中にオランダの教育がある。一斉授業というものが存在しないオランダの授業は、日本が目指すべき教育のかなり先の未来の姿なのだと思われる。

フィンランドでは、統一テストが存在せず、宿題がない。オランダにも宿題がない。フィンランドの小学校低学年の授業時間は週20時間。子どもたちには自由に遊べる時間が保障されている。日本は、中高一貫や小中一貫、学校選択制などの仕組みのもとで、布を織りなすように競争の仕組みが組み込まれている。日本は、受験が幼稚園の時代から始まる。学校選択制のもとで小学校にも面接試験が課せられているところもある。ぼくのような和歌山県でも中高一貫を作ったことによって、中学校受験が入り込んできた。受験の積み重ねによる競争は高校入試、大学入試へと続き、日本の超競争主義の試験制度が教育全体を支配している。
この仕組みに立ち向かい、しがみついて難関大学を目指している受験生というのは、どれだけいるだろうか。豊かな社会体験を排除してしまうような受験競争は、針金のように人間をいびつに伸ばし、その細い針金の先に未来があるかのようなことを子どもたちに強いている。幅のない人間を育成している教育システムは、幅のある魑魅魍魎に満ちた社会とは合致していないので、柔軟性なく育った若者の中から社会に適合できない人間を大規模に作りだしている。受験学力は豊かなのに、人間的幅のない若者の中には、なかなか応用力のない人も多い。

そういう教育の中でも、優秀な人間は育っているだろう。社会体験も豊かで、思考も柔軟で、人間的な幅もあり、適応力、批判力、創造力、応用力も豊かな人間は、必ずわずかながら存在する。しかし、本来の教育は、人間の能力を全面的に開花させるものであるべきだろう。針金のようにとんがった受験学力を身につけさせても、社会全体が発展するとは思えない。

受験競争が生み出す教育上の弊害を直視して、受験体制を見直し、教育内容を改善すべき時期に来ている。そのときに原則とすべき考え方の基本は、すべて憲法と子どもの権利条約にある。フィンランドやオランダの教育内容を見ているとそのことを強く痛感する。日本国憲法の原則を貫いて、本当の教育改革を行うというのは、子どもたちの内発的な学ぶ意欲に応える教育改革になる。他人と競争していい点を取るような教育は、教育本来の姿からいえば邪道だ。人間は、自主的自発的に学ぶことを積み重ねてこそ伸びる。学ぶというのは、人間的な体験と認識の発展の繰り返しなので、学ぶことを通じて人間は発見する喜びを積み重ねることになる。そういうことを繰り返していくと、自分で物事を深く考える喜びが湧いてくる。そういう人間は、社会をよりよく変える力をもった人間へと成長する。教育を変えれば日本は変わる。個人の尊厳の尊重が教育にとって、何よりも大切になる。

教育を国民主権の下に。幸福追求権を保障するための教育。ここに未来がある。


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雑感

Posted by 東芝 弘明