菅vs小沢

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民主党の代表選挙。
菅さんと小沢さんの闘いということになって、なかなかその内容を見る気がしなかった。
なぜ、この期に及んで小沢さんなのか?という気持ちがどうしても先行して、真剣に2人の言い分を読み比べる気持ちが働かないのだ。
金権腐敗の疑惑がある人物に対するアレルギーは、70年代、80年代、90年代を経て格段に高まっているように感じる。
田中角栄さんの時代では、「大きなことをするためには、少々ダーティーなところがあってもいい」というような言い方が、まことしやかにいわれていた。特に自民党を支持する人々は、田中角栄さんを持ち上げるために、積極的にそういう言い方をしていた。
あれから30数年が経ち、時代は確実に変わりつつある。
小沢さんは、不起訴になった。民主党の中の小沢さんを押している国会議員の方々は、不起訴処分になったことをもって、検察を通じて嫌疑が晴れたというような言い方をしている。
小沢さんは、自分にかけられた疑惑に対し、自ら積極的に真実を明らかにする態度を取らず、国会の証人喚問にも応じる態度を取ってこなかった。
国民の多くは、国民の前で説明責任を果たしたとは言い難いというと思っているのではないだろうか。
小沢さんに対する反発は、かなり沸騰気味になってきている。
民主党の小沢さんを擁立している人々は、こういう世間の流れを読めないのだろうか。
小沢さんが勝利して、内閣総理大臣としての小沢一郎さんが誕生したら、国民は、日本という国の、自民党と民主党の政治の歪み具合をいやでも見せられるようになるのではないだろうか。
小沢さんという人物は、マスメディアの前で、もしくは国会の公式な場で、きちんと公に議論をするということを積極的にしてこなかった人物だ。
裏の部隊で、根回しをしてことを動かしてきた例はたくさんある。裏の部隊には、表に見えない姿や形がある。
なぜ、この人物は、舞台裏で大きな立ち回りを演じて来られたのか。そこに謎を解くカギがあるのかも知れない。
アメリカの経済の落ち込みが表面化したことに端を発して、ドル安、円高になっている。経済的な危機の進行が、日本の政治に疑問符を投げかけている。そのときに政権党は、代表選挙がすべてであるかのような熱心さをもって、対応している。
「ほかにやるべきことがあるだろう」
こう思っている国民も多いだろう。
菅さんと小沢さんの闘いから離れて、財政再建と景気対策について、少し書いてみよう。
日本の国家財政の中で税収はわずかに37兆円しかない。そのような状況の下で、予算は80兆円を超えている。バブル経済の時に、税収は、60兆円を超えていた。
なぜここまで税収が落ち込んできたのか。
それぞれの税収がどのような推移をたどってきたのか、財務省にグラフがあったので引用してみよう。

平成元年頃が法人税収のピークになっている。これはバブルの時の税収だ。平成18年、19年がもう一つのピークになっている。このとき、日本は史上最長の好景気だということで、大企業の経常利益はバブルの時の2倍になっていた。法人税を減税しても法人税収は増えるという主張もあるが、このグラフによると、42%あった税収を30%まで引き下げた結果、大企業の儲けはものすごく増えても、税収はバブルの時を超えなかったということを示している。
このグラフからは、法人税を減税しても税収は増えるという事実は読み取れない。
ついでに、消費税を10%に上げたら所得税を追い越してしまうのが読み取れるだろう。この3つの税のうち、最も税収が大きいのは消費税になるのは、税の根本的な成り立ちからいっておかしいと思う。
日本の税制は、戦後、生計費非課税、累進課税、直接税中心という税制構造をもってきた。消費税を10%に増税することは、日本のこの税の原則を破壊する行為に等しい。
所得税が高いことを自覚している人は、所得税以上の消費税負担になる可能性があることを考えるべきではないだろうか。97年に消費税収がグンと増えているのは、3%から5%に税率を引き上げたからだ。このときに所得税収と法人税収が下がっていることにも注意が必要だ。消費税増税によって、消費不況が引き起こされ、消費税収が上がったにもかかわらず、所得税と法人税に大きな影響が出たということだろう。
日本は、この間、国民に対し所得税などの負担を増やしてきた(しかし、同時に給料のカットや派遣労働の増大などによって、国民の所得そのものは激減してきた。その結果、増税をしながらも税収は下がり続けた。)。その上、所得税収を上回るような消費税増税をおこない、同時に法人税を5%減税するということを受け入れることができるだろうか。
所得税、法人税、消費税のこの3つの折れ線グラフは、多くのことを考えさせてくれるのではないだろうか。
税のあり方を議論するのであれば、容易に手に入る国の統計資料などにもとづいて、まともな議論をおこなうべきではないだろうか。
税収を引き上げるためには、税を負担できる富裕層や儲けをあげている企業からしっかり税金を取ること以外にない。所得が大きく減っている国民に負担をかけても税収が大きく上がらないのは、目に見えていることではないだろうか。
国内の経済に循環を生み出して、景気回復を実現し、税収を引き上げるためには、国民の給料をアップして、購買力を高める必要がある。また、税収増を実現するためには、負担能力のある部門への増税が必要になるだろう。
ただちにすべき増税は、株取引に対する優遇税制の是正だろう。10%という特例を法律どおり20%に戻すだけで1兆円の税収増が見込まれる。
このことに対する日本共産党の政策は次のとおり。

──世界に例を見ない大資産家優遇の配当や株式譲渡所得の税率軽減措置を、ただちに廃止し、税率を20%に引き上げます。将来的には、配当や譲渡所得などは、勤労所得とあわせた総合課税を原則とし、大資産家には応分の負担を求めますが、それまでの間も、欧米諸国の水準にあわせて30%以上に税率を引き上げます。その際、庶民の少額の投資には、大資産家とは区別して税負担の軽減をはかります。

長くなった。読んでいただいてありがとう。暑いのに、どうも、です。


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Posted by 東芝 弘明