豊岡市のチクタクを視察

雑感

朝9時30分から豊岡市でチクタクというデマンドタクシーについて、視察した。豊岡市は、古い庁舎をリニューアルしてその建物の中に議会の本会議場をつくていた。その建物の後ろに7階建の新館があり、そこの7階に議会事務局と委員会室が設置されていた。
視察は、7階の委員会室で行われた。

豊岡市は、道路運送法の4条と78条に基づいて路線バスとコミュニティバス、チクタクというデマンドタクシーを運行していた。それらの公共交通をどう連携させるのかという点で突出した努力が行われていた。コミュニティバスの乗車は1人以上乗っていて、バス料金収入が全体経費の20%を超えていたら、そのバスを充実させるといい、1人未満で20%を下回る状況にあれば、コミュニティバスを廃止しチクタクに切り替えるという話だった。国はコミュニティバスの乗車人数を5人、県は4人という基準を持っているが、豊岡市は1人と定めている。経費の20%というのは、経験則から導き出したものだという。
チクタクは、豊岡市が住民に委託して運営されているタクシーで、料金は100円から200円、車は市が用意して責任の所在を明確にしている。市がきちんと責任を負うというところにチクタクの特徴がある。
「チクタクのような普通の車によるデマンドタクシーは、NPOに委託することができるようになっていますが、豊岡市はNPOへの事業委託は行いません。市の責任を明確にして運営を委託しています。それは、万が一の事故が起こった時のことを考えているからです」
コミュニティバスの廃止とチクタクの導入については、住民と徹底的に話し合って地元住民で運営の組織を作ってもらっていた。
チクタクは、豊岡市内の4つのエリアで実施されていた。住民に運営を担ってもらうための努力は、並大抵のものではない。市の認識も試される。なぜコミュニティバスを廃止するのか。チクタクとは何かということを疑問の余地なく説明し、深く納得してもらわないと、住民がチクタクを担うとはならない。

全ての公共交通の連携を考えているセクションは、4人の職員と2人の臨時職員で運営されており、路線バスにも市からメスを入れようとしていた。公共交通は社会資本であり、これがなければ、住民の移動を保証できないということだ。社会資本をどう整備するのか、考え方としては、ここに基本的精神があった。
話を聞きながら、住民の交通権は、基本的人権に関わっており、それをどう保証するのかという考え方とリンクしていると思った。
職員は道路運送法を熟知し、4条と78条関係に分かれて事務をしていた。この法律に基づいて考え出されたシステムは、卓越したものだと感じた。
話の中で、国のセクションと直接やり取りをしていることが紹介され、大学教授の力、学生に力を大いに借りて調査などを行い、IOTの活用については、近大と連携していることが話された。民間の企業ともやり取りをしているという。
「行政職員の知識は限られています。専門家や企業の知見を活用することを考えています」
ということだった。市長の考え方が現場に生きているということだった。

帰りのバスの中では、最後尾の椅子で眠っていた。食欲もなく熱っぽい。4時40分に役場に着き、事務所に立ち寄ってから、内科医を受診んした。
インフルエンザA型だった。明日から5日間隔離生活となった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明