丹後町の支え合い交通

雑感

総務産業常任委員会の視察で京丹後市に来て支え合いのタクシーについて、NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」の東さんに話を聞いた。
京丹後市は、15年ほど前に6町合併によってできた市だ。面積は501.43平方キロもある。旧丹後町は、合併後タクシー会社が撤退して、路線バスとデマンドバスのみが公共交通として残った町だ。タクシー会社が撤退した中で、足腰の弱い人々の移動が保証できなくなった中で作られたのが、ウーバーというスマートフォンのソフトで運行する「支え合い交通」だった。
ここのタクシーは、NPOが自主的に運営しているもので、京丹後市からは、1円の補助金も出ていない。

ウーバーというソフトは、運転手側のソフトと利用者側のソフトで管理されるシステムだ。アメリカの会社がこのソフトを開発し、全世界で使われている。利用者は、ソフトをダウンロードすれば、利用を開始できる。住民も観光客も分け隔てなく使える所が優れている。支え合い交通を利用する人がソフトを立ち上げると待機中の車がアイコンで表示される。利用者が利用開始のボタンをクリックすると、一番近くで待機している運転手に連絡が行き、利用者が待っている場所に車が走ってくる。事前予約などは必要ない。
運転手は、オンラインでスタンバイ、オフラインでサービスから離脱できる。
オペレーターはこのサービスに介在しない。NPOは、サービスを開始する朝、対面で健康チェックや飲酒がないかどうかをチェックしている。
1日の運行時間は、午前8時から午後8時まで、365日運行されている。ドライバーの都合で簡単にサービスから離脱できるのでドライバーの負担は少ない。
第2種免許のない人は、国指定の講習を受けてドライバーになれる。自家用車と運転手登録をNPOがウーバーに申請し許可がおりたらドライバーになれる。3年間無違反がドライバーの条件で年齢制限は75歳となっている。
旧丹後町から京丹後市内の中心部に行くことはできるが、丹後町外で利用者を乗せて、丹後町の自宅に行くことはできない。公共交通空白地有償運送というサービスなので、タクシーのある地域での運行には制限がある。
運賃はタクシー料金の半分程度になっている。
2016年5月に運行が始まり4年目に入ろうとしている。料金を下げることも課題になっているが、市からの補助無しには、実現は難しいと思われるし、タクシー会社の同意が得られないかも知れない。

この話を聞いながら「支え合い橋本」の福祉有償運送を取材したくなった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明