成人式 2005年1月10日(月) 

出来事

10時から総合文化会館で成人式がおこなわれました。今年の新成人は、男性106人、女性125人、合計231人。この人数は年度で把握しており、1984年生まれの人と1985年の人が対象となっているようです。昭和でいえば、59年と60年生まれの方が成人となるので、あと3年すれば平成生まれの方が成人となります。私たちが年をとるのも早いということですね。

成人式は、女性はほとんど振り袖姿で、男性は黒がはやりなのか、スーツ姿が大半でした。ピンクの紋付き袴の男性と明るいエンジ色の振り袖の女性が謝辞を述べました。男性は大学で経済学を学んでいるが就職が難しいと思われると言い、女性はブライダルコーディネイトの関係に勤めている、入ってみれば地味な仕事が多い、でも結婚式では毎回感動すると語っていました。若者をとりまく社会情勢の厳しさがにじみ出るような謝辞でした。
若者にとって、今はなんと生きにくい世の中でしょうか。

かつらぎ町の成人式には、「memorys」という冊子が配布されます。この冊子には、20年前のニュース記事が紹介されています。これを見ながら色々なことを感じました。
成人の方々が生まれた1984年は、ロサンジェルスでオリンピックが開かれ、カールルイスが陸上で4冠に輝いた年です。韓国は全斗煥大統領が政権の座にいて、日本に来日しています。当時の韓国は、まだ軍事独裁政権だったということです。民主化された歴史はまだ20年に満たないということですね。
1985年3月には、ソ連でゴルバチョフ氏が書記長に就任し、ペレストロイカを打ち出した年にあたります。新書記長の誕生こそ、ソ連という覇権主義の巨悪が崩壊する第一歩のはじまりでした。

日本国内では、1982年秋に中曽根内閣が誕生し、戦後政治の総決算路線と臨調行革路線が打ち出されていました。かつらぎ町では1983年10月に溝端康雄氏が町長に就任し、財政再建を掲げて町政を運営していました。1984年と1985年は、バブル経済前夜というべき時代でした。

1985年5月8日、私の印象に残った出来事がありました。
「過去に目を閉ざすものは結局のところ、現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、また新しい感染への抵抗力を持たないことになるでしょう」
西ドイツ(当時)のヴァイツゼッカー大統領が、両院議員を前に戦後40年の記念式典で演説した言葉です。この演説は、当時の「赤旗」にも詳しく紹介されました。ヒットラードイツの犯した罪を正面から受けとめ、現代社会にファシズムを二度と生み出さないという決意は、当時25歳だった私の心を深く揺さぶりました。日本の総理大臣との落差は大きい。日本国憲法が批判され、9条を変えろという大合唱がマスコミからも起こっているこの2005年。成人式でヴァイツゼッカー氏の言葉を読み返し、当時を思い起こせたことは一つの収穫でした。こういう言葉こそ、成人に贈りたいと思います。


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出来事

Posted by 東芝 弘明