正確で必要な情報を国民に伝えよ

雑感

新型コロナ感染について、一番思っていることの一つは、国からどのような対策がどうして必要なのか、という基本点について、きちんとしたアナウンスを行ってほしいということだ。国民の中にはかなりの混乱がある。混乱の大きな理由の一つは、緊急事態宣言に至った判断を繰り返し国民に明らかにして、一体何をめざして8割人間の交流を抑えてほしいと考えているのか、分かるように伝えてほしいということだ。

感染対策について、現在こういう状況なので、ここに重点を置いて対策を講じているということを徹底するためには、国と都道府県、市町村の協力がいるだろう。とくに国から出されてくるメッセージについては、論拠や根拠を明らかにして、都道府県に伝達されなければならない。都道府県は、対策本部を通じて市町村の対策本部に情報を提供して、市町村が納得できる内容で対策を講じられるようにする。

こういう連携が明確に行われるようになるだけで、新型コロナ対策の対応は大きく変わるだろう。和歌山県は、一生懸命にクラスターを生み出さないように対応してきて、効果を上げてきた。
濃厚接触者になって自宅待機を2週間余儀なくされた知人と話をしたが、県保健所は誠実に丁寧に対応してくれ、ぼくの知人は2週間のうち3回PCR検査を受けたということだった。この3回の検査の内2回目の検査は、任意検査となったようで6000円支払ったと言っていた。1人感染者が出たら100人を超えていても濃厚接触者全員のPCR検査を行い、陰性になったら自宅待機をお願いして、毎日経過を観察するという形になる。もちろん、和歌山県の場合は、経過観察の中のPCR検査によって陽性反応が出たら、同じように濃厚接触者のPCR検査を行うことになっている。知人は体調不良に陥ったので、3回PCR検査を受けたが、原因は新型コロナ感染ではなかった。

口で言うのはたやすい。考えてほしい。1人の感染者が出て100人を超える濃厚接触者が現れたら、県の保健所は、この100人を経過観察することになる。毎日100人と連絡を取って、健康状態を伺い、情報を蓄積し、本人からの訴えがあれば、必要に応じて接触者外来を受診させ、検査を行い、検体を採取したら感染研究センターまで検体を運んで検査してもらい、検査結果が出たら本人に伝える。もちろん陽性反応になったら、新たな対応が求められる。保健所は、1人の感染者の発現ごとに膨大な仕事が出現するので、この仕事に忙殺されることとなる。

しかし、和歌山県のこういう懸命な対応や方針が、県民にしっかり伝われば、かなり安心できるだろうが、実際の具体的対応の方針が県民に十分に伝わっているとは言えない。仁坂知事の自信ありげなコメントよりも、仁坂知事の自信を裏付けている的確な対応の内容を含め住民に必要な情報、的確な情報を伝えてほしい。そのためには、国と県、県と市町村の連携が決定的だと思われる。
こういう方向で改善を求めてきたが、なかなか事態に変化は起こっていない。

コロナ対策への県の基本的方針が伝わり、会社や事業主がこの方針に団結して対応するようになれば、県民の中に対応の仕方の基本が徹底される。そうなれば、自粛要請の意味も休業の必要性ももっと明確に見えてくる。自粛と保障は一体のものということとともに、「正確で必要な情報を国民に伝えよ」ということを声を大にして言いたい。


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雑感

Posted by 東芝 弘明