幼稚園の制服 2005年2月7日(月) 

出来事

朝、娘は大急ぎで制服を着ました。通っている聖心幼稚園は赤いネクタイ付きのブレザータイプの紺の制服です。スカートは、セーラー服と同じひだスカートです。帽子は、アメリカ映画に出てくる大学生の帽子に似ており、上の形が四角で、一つの角に赤い紐が付き、紐の先には房がついています(イメージが湧きますか?)。
この制服は人気があってかわいいのですが、同時に、お嬢さん・お坊ちゃまというイメージを地域に与えて、聖心幼稚園はお金持ちの行く幼稚園だと思われている節があります。
内実はキリスト教の私立幼稚園で、地域の善意で成り立ってきた裕福でない幼稚園です。笠田地域に第二次世界大戦中にでき、60年以上の歴史があります。
幼稚園の中に小さな協会があり、日曜日には礼拝もおこなわれています。長男で家持ちが多いこの地域で、キリスト教の信者を獲得するのはなかなか難しく、信者は少ないみたいですが、幼稚園経営を通じて地域に根を張り、支えられてきました。
議員をやっていると、「なぜ私立幼稚園に子どもを預けているのか」と質問もされました。この質問には「共存共栄」とか何とか言っていなしてきました。でも優しい気持ちを大事にしてきた聖心幼稚園は、貴重な存在であり、笠田地域には、聖心幼稚園を支えたいという気持ちが連綿と根付いています。
子どもたちはお祈りを毎日しています。牧師である園長先生は、いつも戦争の話をし、「世界が平和でありますように」といっています。
娘は、イラクのニュースを見て、「お父さん、なんで戦争するの?」と聞いてきます。
競争にあおり立てられて、殺伐としている世の中で、人間のふれあいと交流を大切なこととして教えてくれる幼稚園は、価値ある存在だと思っています。
キリスト教への理解もなかなか広がらない田舎町で、数多くの人々がこの幼稚園を支え続けてきました。この事実は、やさしい包容力のある地域を作ってきたということなのかも知れません。
娘は3年間、元気いっぱい幼稚園に通ってきました。
「優しい子に育ってるよね」
「毎日、嬉しそうにしてるよね」
というのが夫婦の会話です。半分は家庭で、半分は聖心幼稚園で培われた資質だと思います。
娘を幼稚園に送っていくと、同級生の子が2人、すぐに
「今日は何で制服なん?」
と聞いてきました。
2人は体操服姿でした。
「月曜日は体操服で登園」ということをすっかり忘れていました。
大急ぎで着替えに帰りました。車の中で2人は「急げ、急げ」と言いながら大笑いしました。
「お父さん、はよ着替えなあかんから制服脱ぐわ」
娘はそういって車の中で服を脱いでいました。


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出来事

Posted by 東芝 弘明