笠田小学校の卒業式 2005年3月18日(金)

かつらぎ・発見伝

午前中、笠田小学校の卒業式がありました。
来賓として祝辞を述べさせていただきました。2003年にあいさつをさせていただいて、2005年にしたので、もしかしたら順番が少しおかしい感じです。
今回のあいさつのために書いた原稿は次のようなものです。
話し言葉で、身振り手振りでおこないましたから、原稿よりはもう少しやさしくまとめられたと思っています。

卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
4月から中学校で新しい生活が始まります。
中学時代は、未来への準備期間でもありますが、「毎日が充実して楽しい」ということが大切です。新しい友だちとの出会いやスポーツや文化活動、それに学習の面でも、中学校時代が充実したものになることを期待しています。
卒業式にあたって、どんな言葉を贈ろうかと考えていました。
今回は私の好きな言葉である「全てを疑え」という言葉を贈りたいと思います。
「全てを疑え」という言葉の意味は、「全てを信じるな」という意味ではなく、「全ては疑うことができる」という意味をもつ言葉です。
つまり、「なぜそうなるんだろう」と問いかけるという意味です。
卒業生のみなさんは、アイザック・ニュートンという人を知っていますか。
この人は、江戸時代の初めに生まれたイギリス人で、万有引力を発見した人です。ニュートンによって古典力学が完成したといわれています。天体の運動を解明した人としても有名です。
ニュートンは、りんごが木から落ちるのを見て万有引力を発見したといわれていますが、本当はかなり事情が違います。
一説によると、ニュートンは実際はこう考えたといわれています。
「りんごは木から落ちるのに、なぜ月は地球に向かって落ちてこないのか」
ニュートンが天才だと思うのは、この「月はなぜ地球に向かって落ちてこないのか」という疑問を持ったということです。
普通、「月はなぜ地球に落ちてこないのか」なんて考えませんよね。ものすごい発想だと思います。
そして、もう一つすごいのは、この問題意識を追究して、この謎を算数の計算式で解き明かしたということです。
ニュートンは、長い年月研究を続けた結果、こんな結論にたどり着きました。
「月は地球に向かって落ち続けている。だからこそ月は地球の周りをぐるぐる回っているんだ」
ものすごい速さでボールを投げたら、どんどんボールは遠くに落ちます。この投げる力をうんと強くしたら、ボールは、落ち続けながらも着地しないで地球の周りを回ることになります。もっと強い力で投げたら地球からどんどん遠ざかって永久に戻ってこなくなります。
卒業生のみなさんは、「月が地球に落ち続けている」という話が信じられないだろうと思います。
ある大学の先生は、高校生まで算数、中学校からは数学といいますが、これをしっかり勉強して理解すると、ニュートンが明らかにした法則も完全に理解できると書いています。
ニュートンは、人間の歴史に残る天才でした。でも私たちは、高校生になったら、この天才ニュートンの肩の上に乗って、ニュートンが分からなかった問題を見ることも、知ることもできるということです。
科学は進歩しました。しかし、科学の最先端で研究している科学者の多くは、人類にとっては、分からない問題の方が多いと思っています。分からない問題は、鯨のように大きいのに、明らかにできた問題は、蟻のように小さいということです。
これが人類の到達点です。でも、多くの科学者は、人類にとって解けない謎はないと思っています。ここに人間のおもしろさ、可能性があると思います。
「なぜ月は落ちてこないのか」という問いかけこそ、「全てを疑え」という問いかけなのです。
いろいろな物事、自然や社会に対して、「なぜ」と問いかけることを大切にして下さい。この視点は、自分の人生を豊にしてくれるものです。
「全てを疑え」
学問はこの言葉から始まります。
さて、保護者の皆さん。ご卒業おめでとうございます。
今日、子どもたちの背中を見つめて、「大きくなったなあ」と感じられた方も多かったのではないでしょうか。
私たち議員は、「希望」という言葉を、新しく始まる中学校生活という日常の中に実現したいと思っています。
本日は、誠におめでとうございました。


妻は、「お父さんは、いつも難しい話ばっかりして。もっと子どもの顔を見て話をしたらいいのに。こんな話。中学生の卒業式のときにしたらいいんや」
といっていました。
そういわれても、やってみました。
やっぱり、むつかしかった?      かな?
昼から、昼食をとった後でWAYにいきました。入り口のカウンターの横からアルバイトをしている私の同級生が出てきたので、話を聞くことができました。
「私らに話があったのは2月20日をまわってからよ。びっくりしたんよ」
「年末、TSUTAYAの看板つけてたんと違うんか」
「そうよ。その時にはこんな話なかったのに」
「完全閉店?TSUTAYAに変わるという人もいるんやけど」
「ううん、完全閉店。どこが入ってくるかは全く白紙。入ってこなかったらテナントのお店もこまるよね」
DVDコーナーをみると、かなり作品が撤去されていました。閉店まであと9日。
本屋さんとレンタル屋さんがなくなったらかなり不便です。ホント。


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かつらぎ・発見伝

Posted by 東芝 弘明