野半の里へ 2005年5月7日(土)

かつらぎ・発見伝

夕方、母の日の前日だが、おばあちゃんとおばさんを連れて、野半の里に行った。野半の里には、蔵乃湯(温泉)と気泡館(洋食)、こんにゃく座(和食)やみやげ物売り場などがある。着いたのは6時少し前だった。食事をとる前にみやげ物売り場に行き、2階に展示してあったガラス工芸品の展示販売も見て回った。
蔵乃湯はお客さんがまばらだった。湯船は3種類。洗い場の近くに透明なお湯の湯船があり、その奥に薄い土色をしたお湯の一番大きな湯船がある。建物は、木造で太い梁、太い柱が使われている。新しい木材を使用しているのではなく、ほんとにどこかの蔵に使われていた木を再利用しているように見え、趣のある建物に仕上がっている。
3つ目の湯船が露天風呂で、浴場の引き戸を開けて行くようになっている。露天風呂は、石に囲まれており、建物の壁面の石は、切り出された石を磨かないまま並べている。高さ2メートル40センチぐらいのところからお湯が一筋注がれており、打たせ湯を楽しめるようになっている。
露天風呂から見上げた空は、まだ青く、日は落ちていなかった。
日が落ち始めると、雲が赤みを帯び、その頃になると湯船から湯気が立ち上るのが見えはじめた。一番大きな湯船は、お湯が対流しているので、風紋のように波がに広がり、波の小さな頂点は、まるで波頭のように白い。立ち上る湯気は、この広がる波に合わせて音もなく流れている。
地下からくみ上げられた温泉には、数種類の泉質があるので、温泉好きの人は楽しめるかも知れない。体がほこほこと温まる。
45分ほどしてお風呂から上がり、暖簾をくぐり抜けて休憩室に戻ってくると、おばあちゃんとおばさんが、私より早くお湯から上がって休憩していた。
「先にこんにゃく座に行って席とっといてやて」
2人はそういった。
娘の髪と自分の髪をかわかすのに時間がかかるのだろう。
3人は、少しの時間休憩して、こんにゃく座に向かった。
男の人が対応してくれた。
「大人4人と子ども1人」
そう言うと、掘り炬燵式の座敷に案内された。テーブルの木は分厚い板でできており、黒褐色のような色をしている。
メニューが4人文並べられ、娘の席には、子供用の小さな取り皿とスプーン、フォークが添えられた。配慮が行き届いている。
しかし、メニューを開いて驚いた。
以前来たとき、こんにゃく座は居酒屋だった。ししゃもや、あさりの酒蒸しや、大根サラダや、ソーセージや、長いもの短冊などのメニューがすっかり消えて、各種の膳や定食をメインとした「お食事やさん」に変わっていた。お風呂にはいって、ビールを飲んで、居酒屋料理を楽しもうと思っていたのに、まったく思惑が違ってしまった。
妻と娘は15分ほど遅れて入ってきた。娘は例のごとくお子様ランチのようなメニューを頼んだ。店の人がいうには、このメニューは、気泡館のメニューで届けてもらうのだといった。
ここのビールは地ビールで野半の里のオリジナル作品である。軍艦ビールとピルスナーを頼んで、2種類のビールを味わった。市販のさっぱりしたビールと比べると今日飲んだビールの方がこくがある。好みが分かれるだろう。
居酒屋をイメージしていたので、少し心残りだった。
自宅に戻ってから映画「半落ち」を見た。
静かに丹念に描かれた映画だった。


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かつらぎ・発見伝

Posted by 東芝 弘明