過度の集中が問題意識をぶち壊す

雑感

脳のことを書いたら、Facebookに反応が返ってきたので、「ぼくの論の根底には池谷祐二さんの本があります」と書いて、そうだ池谷祐二さんの本を読もうと思い立って、2冊の本を購入した。池谷さんの本は面白い。
インプットが大切だと書いた後で池谷さん本人の本を読んでいると、学習とアウトプットの話が出てきた。ぼくが書いた豊かなインプットなしに豊かなアウトプットはないというのは、さらに厳密化して書くと、アウトプットを行いながらインプットするということになる。どういうことか。記憶にとどめるためには、インプットするときに可能な限りアウトプットと組み合わせてインプットすることが大事だということだ。つまり、ただ漫然と本を読むのではなくて、本に積極的に線を引いたり、書き込んだり、記憶したものを書き出したり、第三者に話したりしながら、インプットすれば、学習効果は飛躍的に上がるということだ。

インプットがあって、時間が空いてアウトプットするのではなくて、インプットのプロセスそのものが、かなり積極的なアウトプットと絡み合って進んでいくと、学んだことをさらにアウトプットする段階で、さらに深い発見が得られるようになるということだろう。インプットはアウトプットと複雑に絡み合って存在している。そう、ここだ。ここが大事だ。

学んだことを語ると聞いてくれる人がいたら、学習は大いに進む。そういう都合のいい人はいないが、今の学校の中には、この仕組みが取り入れられつつある。不幸なのは、充分にそれを学ぶ時間がないことだろう。消化不良のまま、学習が積み重なっていくと、効果は半減するどころか、学習全体がうまく行かない。詰め込み状態が飽和に近づいている。

毎日追い立てられながら日々努力し、さらに集中していると、思考の中断、断絶が起こる。忙しく自分を追い立てて、集中していくと、問題意識が塗り変わって、過去の問題意識が消えてしまう。これは良くない。3月議会が終わるとこういうことが繰り返される。過度の集中が、問題意識をぶち壊すということだろう。離れてしまった地点から、元に戻るためには、当時触れていた問題意識が呼び起こされるよう、必要な文献を読むことだろう。この3月は、問題意識の中断を回復する試みをしてみよう。


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雑感

Posted by 東芝 弘明