地球温暖化の学習会を行なった

出来事

午後、Sさんのすすめる谷口たかひささんのYouTubeに掲載された講演を2時間、支部の人と一緒に見て、温暖化問題を中心に一緒に考えた。こういう機会をつくらないと2時間に及ぶ講演をみることはできないなと思った。1時30分から5時過ぎまで、濃い学習の時間を確保できたので嬉しかった。谷口たかひささんの矢印を自分に向けて考えるという視点は、本当に大事だと思う。他人事ではなく、自分の問題としてとらえるという考え方は、自分を変えてくれると思う。

地球温暖化という大きな問題にどう取り組むか。というテーマは大きすぎて何から取り組めばいいのかと思ってしまいがちだし、何ができるのかというものも見えてこない。
しかし、矢印を自分に突き刺して、自分のこととして考えて、自分にできることを見出して行動を起こすことが大事だというのは、いつも考えなければならないことだと思う。
綱領学習の準備をしていたときの一番大事な視点は、自分がその当時生きていたら、日本共産党の先輩方が考えたような態度を取ることができたか。自分なら日本共産党のような認識に到達できたか。どうして戦前天皇制に対し、戦後はアメリカに対し、もしくは大企業に対し、綱領に書かれているような分析や認識を導き出すことができたのか。自分の方に矢印を向けて、自分ならこういう分析ができたかどうかという視点は、党綱領を学ぶ上で、綱領上の命題を自分の頭で考える出発になると思われる。いつも自分ならどうか。という視点を持ってものごとを考えるようにしたい。

この考え方は、正しいことは何かを考えて、正しいからすべきだという考え方とは随分違う。人は、正しいと思ったことを人に押し付けがちだという話も谷口さんはしていた。「正しいから◯◯すべき」ということだ。正しいことを正しいと思って押し付けたことによって、人は人にすべきことを強制する。正しいの反対にあるものは、もう一つの正しさであって、間違いではない。自分の正しいと思うことと相手が正しいと思っていることが対立してしまう。谷口さん流にいえば、「人間の数だけ正しさがある」ということだ。極端に聞こえるかもしれないが、ヒットラーは、自分が正しいと思ったことを社会に押し付けたのだ。スターリンのソ連国内における粛清という名の大量殺人も社会主義建設にとって正しいと思ったから実行したのだ。
日本の第二次世界大戦のときの、天皇のために命をかけて戦争に参加せよという考え方も、正しいと思ってしていたことだし、日本共産党員を逮捕して、投獄し、ことによっては拷問によって虐殺するのも、特高警察は正しいと思って実行していたということだ。

人は、正しいと思ったことを人に押し付けがちだということを深く考えたい。谷口さんの話を聞いて思い出したのは、マルクスの「現存するものの肯定的理解」だった。マルクスは、批判からものごとをとらえることを戒めた。現実に存在するものには、現存するだけの理由がある。まずは時間をかけて肯定的に捉える努力をするという態度と正しいと思うことを人に押し付けるなという考え方はどこかでつながっている。自分と違った考え方を頭ごなしに否定しない態度をマルクスの言葉は求めている。自分にとっては異論だと思われることに対して、反射的に反応しない。それを受け入れて考え始める。意見の違いを自分が考えるきっかけにするーーぼくはこういう態度を大切にしようとしてきた。実際に相手に言われたことから考え始めることは随分増えてきた。正しいと思ってることは、他の正しいと思っていることと衝突する。このことをいつも念頭に入れて考えたいし行動したいと思っている。

人間には人権がある。対等平等。自由にものを考え、自由に行動する権利がある。その考え方を侵してはならない。その上で人間は、本質的に協力し合う人間関係を形成してきた。二足歩行によって、頭を支えられるようになって脳が発展する条件を獲得したが、同時に二足歩行によって出産が極めて困難になった。哺乳類の中でもっとも難産になったということだ。つまり、1人で、自分だけの力で出産することは極めて困難になった。支え合いケアし合う中で人間は種を維持し発展してきた。協力しあい助け合って生きてきた人間の本質的な性格と、一人一人の個人の尊厳を尊重するという考え方は、二律背反的に対立していない。個人の尊厳を尊重しながら、人間は、力を合わせて、協力して生きていく。この形を具体的に実現していく方向に未来がある。ぼくはそういう希望をもって生きていると思っている。個人の尊厳を尊重しながら、協力し合って生きる。ここに面白さがある。


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出来事

Posted by 東芝 弘明