おい、キーあったぞ
事務所から出て行こうとして、鍵がないことに気がついた。事務所の戸締まりができないので、自宅に帰れない。
困った。
ありとあらゆる可能性を探して見たが、見あたらない。倉庫にチラシが届いたのでチラシの箱から予備の印刷物を探し当てようとして、箱を動かした時に鍵が箱と箱の間に落ちたのかと思って、丹念に探しても見あたらなかった。
さんざん探しても見つからないので深夜0時前に自宅に電話を入れた。
「鍵がないので事務所に泊まる」
そう言って電話を切った。
もしかしたら、と閃いた。事務所の鍵を新調した時にスペアキーを作っていたはずだということを思い出した。
その後、念のために事務所の予備キーがないかどうか、引き出しを調べてみた。
あった。
もう一度自宅に電話した。
「事務所のスペアキーがあったんで戻るわ。家の鍵開けといて」
電話に出た娘にそう伝えた。ハミガキしている音が聞こえていた。
戸締まりをして、単車で自宅に戻り、車のスペアキーを持ってもう一度事務所に行き、単車を置いて車で自宅に戻った。時刻は0時40分だった。
朝、事務所に行って、キーが見あたらないと言った。
Ｍさんがいたのでキーの話をすると、5分後に
「おい、キーあったぞ」
と言って、キーの束を差し出した。静電気防止用の青いキーホルダーが目に入った。
「どこにあったんか」
「俺の車の屋根の上、溝が切ってあるところにはまっていた」
「なんでそんなとこに」
「昨日、小屋のテーブルの上にキーがあって、小屋での作業を終わって、事務所にキーを持ってきたんやけど、用事をしていたら、車を開けなあかんことになって、自分の車の屋根の上に置いたんや。置いたことを忘れて、そのまま車で走っとたわ」
よく落ちなかったものだ。危ない危ない。
（この記事は4月19日の朝書いた。アップした時間は4月18日午後23時45分という形にした）
