一冊の本をかざして 2006年1月26日(木)

出来事

近所のNさんの奥さんが亡くなった。
気丈な方だった。
秋、和歌山の赤旗まつりがあった日、小雨が降るなかを和歌山県立医科大学にお見舞いに行ったのが、最後に話ができた機会となった。病室に入ると笑顔で迎えてくださり、「生きて死ぬ智慧」という本を読んでいるといって本をかざしてくれた。
自分の病気と向き合われた方だったのだと思う。今年になってから家族3人で紀北分院にお見舞いに行くと、ドアのなかに娘さんが立っていた。母は、朝方5時まで眠れず、今眠っているのだと教えてくれた。眠っているのに眉のあたりに苦しさが浮かんでいた。その顔が忘れられなかった。
朝、9時30分ごろ自宅におじゃますると、ちょうどお坊さんがお経を読むところだった。
一段落してから、かわるがわるお顔を拝見させていただいた。あんなに苦しそうだったのに、穏やかに眠っているように見えた。
習字の上手な方で、党の演説会の時にはいつも無理を頼んで弁士垂れ幕や横断幕の字を書いてもらっていた。
お元気なときにお会いして話をしたかった。自宅におじゃましたとき、訪問客が多かった。手を合わせながらも涙をぬぐっている方の中で、目頭が熱くなっていた。


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出来事

Posted by 東芝 弘明