自民圧勝─増税と9条廃棄へ 2005年9月12日(月)

出来事

選挙が終わったのでBlogも元通り。
制限撤廃だ。
8月30日公示、9月11日投票で衆議院選挙がおこなわれた(こう書いておかないと選挙のことが分からなくなる)。
個人のblogを見ていると、選挙について自由自在に書いている方がたくさんいた。本当は、これらの日記は公職選挙法違反になる。しかし、膨大な選挙違反があるので、結局はおとがめなしだろう。
ただし、日本共産党のビラをまいた人だけが不当に逮捕される時代だから、日本共産党の議員が、身分を明らかにして自由自在に選挙報道をしていたら、いかなBlogだとはいえ逮捕される可能性がある。
選挙本番中、かつらぎ町では、地域の役員を先頭に戸別訪問を盛んにおこなっていた。逮捕しようと思えば、簡単に逮捕して選挙事務所を家宅捜索できるはずだ。だが、通常はこういうことで逮捕はしない。しかし、過去に和歌山県では、障害を持った女の方が、文書を配布しながら日本共産党の候補者の支持を頼んだことが、戸別訪問違反に問われ、逮捕され、裁判にかけられた例がある(結局、この裁判は、無罪ということで結審した)。
日本の選挙制度は、選挙本番になったら、制限なしに自由自在にできるのは、電話による支持拡大だけである。ここまで有権者の手を縛ってしまったら、有権者はテレビを最大の媒体にして選挙を知り、判断をすることになりがちだ。実際、今回の衆議院選挙でテレビは、事前から郵政民営化を巡って解散がおこなわれたこと、造反組に刺客を送り込んだことをおもしろおかしく報道して選挙ムードを盛り上げた。
小泉ブームの仕掛け人はテレビだった。
昨日、紀陽銀行に勤めていた方に話を聞く機会があった。
この人はこう言った。
「マスコミというのはいったい何なのか」
ぼくはこう答えた。
「単なるマスコミュニケーションでしょう。この役割は果たしているけれど、ジャーナリズムの精神はなくなってしまった。小泉劇場を作ったのは小泉さんだが、劇場を宣伝したのはマスコミでしょう」
この部分では意気投合した。
「年金の改革、増税阻止、景気の回復を求めて小泉さんを支持した」
テレビでこう言った20歳代の若者がいたという。
少なくとも、小泉さんは、この人が期待したようなことは言っていない。
増税阻止を小泉さんに期待するのは、魂を売り渡したファウストが、悪魔に命乞いをするようなものだ。
「改革を止めるな」
というスローガンの元で自民党の候補者の方々は、「和歌山の活性化を」とか、「地方分権を」とか好き勝手なことを言っていた。こういう中身のない言辞を「改革を止めるな」というスローガンの元でまくし立てられたら、「悪魔が来たりて笛を吹く」状態でも、吹いている人物に悪魔が重ならない。
内閣総理大臣が、郵政民営化でウソをついて選挙をおこなっていても、圧倒的多数の国民は、このウソを見抜けなかった。無理もない。内閣総理大臣が真っ赤なウソをつくこと自体、信じられないだろうから。
「ウソも100ぺんつけば本当になる」
自民党の選挙勝利の要因は、この言葉につきるかも知れない。
日本共産党は、国会論戦をきちんとふまえ、小泉改革の本質と郵政民営化のウソを具体的に暴く論戦を展開した。きちんと耳を傾けてくれた方々の中では強い反応が返ってきた。しかし、国民全体には浸透しなかった。浸透させるだけの主体的な力量が不足していた。
テレビは郵政民営化の是非を明らかにせず、構造改革に対する検証もしなかった。改革に期待した有権者は、かなり早い時期にその期待を裏切られるだろう。
日本共産党は9つの議席を維持した。1つでも2つでも伸びたかったが、有権者のなかに深く浸透できなかった。しかし、事実の重みは大きいので、郵政民営化のウソも、「改革を止めるな」という問題でも、日本共産党の指摘は今後も生きてくるだろう。
大増税と憲法改正の動きが本格化してくるので、問題の本質を多くの人と議論する必要がある。
野党再生。この宿題は民主党には望めない。野党である日本共産党の存在意義は大きい。
がんばることが命を守り平和を守る道。
これがスタートラインだ。
さて。
選挙で日本共産党に期待をし、心を寄せて下さったみなさん、感謝いたします。ぼくは、郵政民営化の本当の姿を語り、「改革を止めるな」という言葉には、大増税と憲法改正が隠されていることを話しました。ずいぶん対話になり、深く話ができたと思っています。
「郵政民営化、賛成ですか、反対ですか」
「構造改革で良かったことは何ですか」
「小泉さんは、改革は着実に成果を上げてきたと語っていますが、何を意味していると思いますか」
対話の中では、こういう問いかけをおこなって、いっしょに考えてもらう方法をりました。
反応は様々でしたが、相手の疑問にも答えながら、話を進めていくのは楽しいものでした。
郵政民営化では、「郵政民営化、賛成ですか、反対ですか」と問うと、よく分からないという方々が一番多かった。賛成の方々も少しいました。反対の意思を表明する人もいました。自民党支持の方々でも、本音の部分では、よく分からない方々が多かったのではなかろうかと思います。
石田さんの陣営は、終盤、「比例は公明党へ」という訴えを公然とおこないました。橋本市では自民党現職の県会議員が演説会で、「比例は公明党へ」と訴えました。
かつらぎ町では、石田さんが111票差で岸本さんに競り勝ちました。力関係が逆転したのは、自民党への追い風とともに、公明党の選挙協力が決定的でした。
「比例は公明党へ」
自民党によるこの呼びかけは、ファウストが、メフィストと取引をおこなうようなものです。
自民党支持者の方で、ある人は、怒り心頭に達していました。
政党の退廃現象は、大阪のk条さんの当選にも現れました。和歌山で民主党候補者として「政権選択」を訴え参議院選挙に出馬し、間際まで民主党に籍を置きながら、総選挙では、自民党の公募に応じ、自民党から出馬したのですから。
「今回なぜ自民党から選挙に出たのですか」
当選したときのインタビューにもこういう問がありました。
「郵政民営化問題をずっと見てきて民主党の対応に疑問を感じました」
なかなか上手に答えていました。
なんだか、和歌山県民を非常に軽くあつかったような感じがして腹が立ちました。
自民党と民主党、実際は出入り自由。ハブ空港のような感じです。クロスプラットホーム化はWindowsとMacの関係よりも簡単です。
さて、議会が始まります。今度はこっちに集中です。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

出来事

Posted by 東芝 弘明