市場経済原理主義批判 2006年1月23日(月)

雑感

朝、会議、昼から会議、夜は高野口町で会議。
ず──────────っと会議が続いた。
「ニュース23」を見ていると読売新聞会長の渡辺恒雄さんが筑紫哲也さんのインタビューに答えていた。内容は、市場経済原理主義(=新自由主義、小泉さんの構造改革だと思う)はよくないと言うことだった。市場経済原理主義によって、中流が多かった日本社会が、ピラミッド型になって貧富の差が拡大しているということを身振りを交えて語っていた。
小泉総理に対しては、「経済を見るときに六本木ヒルズだけを見ていちゃだめだよと言ったが、彼は理解しなかった」と語った。
いろいろな考え方のちがいはあるが、新自由主義の路線に対し、このような批判をしていることは注目に値する。耐震強度偽装事件、ライブドアによる証券取引法違反事件などあいつぐ不祥事は、いずれも新自由主義がはらむ問題を浮き彫りにするものだ。
小泉総理は、今日の国会で堀江貴文さんを自民党が持ち上げ、応援したことの是非を問われて、「別の問題と考えている」と答えた。これはものすごい鉄面皮だ。総理はいつもワンフレーズで答えるが、なぜ別問題だと考えるのか説明していない。
堀江貴文さんが、若者にとってヒーロー的な存在になっているのは、裸一貫から急速に会社を成長させ、しかもまだ経営者としては非常に若いということ、それが英雄的に見え、若者の希望の星のようなイメージが生まれたこと、上手にマスコミに露出してきたので、マスコミを通じてヒーローまで高められたということだろう。
街頭でのインタビューを見ていると、逮捕されても、まだ「「期待していたので残念です」というようなコメントが若い世代には多かった。
渡辺さんの直言に対し、各新聞社の論説委員が語っていたなかで特徴的だったのは、〝改革路線を止めてはならない。官僚指導、高度経済成長型の日本を変えなければ、グローバリゼーション(実はアメリカンスタンダードにすぎない)の流れのなかではやっていけなくなる〟という主張だった。
この言い分には、小泉改革とは何なのかという問いかけや証明がない。市場経済原理主義が最も変えたのは、労働基準法と税・社会保障制度だった。この改革によって、不安定雇用が爆発的に増え、税と社会保障負担を増大させて可処分所得が目減りした。この改革のコインの裏は、大企業を中心とした純利益の飛躍的な増大だ。
構造改革によって、貧富の差が拡大し格差が増大した。「改革を止めるな」という言い分は、この流れを止めるなと言うことに他ならない。
ぼくには、小泉構造改革の本質をきちんと把握した上で出てきているのが渡辺恒雄さんの発言で、「改革を止めるな」という論説委員の方の発言こそ、市場経済原理主義の本質を踏み外したコメントに見える。
小泉構造改革は、化けの皮がはがれかかっているのかも知れない。


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雑感

Posted by 東芝 弘明