紀北分院の独立行政法人化 2006年2月27日(月)

出来事

娘が風邪をひいて学校を休んだ。
おばあちゃんが旅行に行っていたので、急きょおばちゃんに子守をお願いした。
学校に行っていれば、昼から仕事を休んで子守をしなければならない状況だったが、おばちゃんのおかげで休む必要がなくなった。
非常に助かった。
和歌山医科大学付属紀北分院の小児科には随分お世話になる。この地域の子どもたちは、紀北分院のアイ先生にかなりお世話になっていることだろう。小児科医が非常に少ない中で、この方はきわめて重要な役割を果たしておられると思う。
しかし、いま、この紀北分院は、存立をめぐって大きく揺らいでいる。今年4月から紀北分院は、和歌山医科大学とともに独立行政法人となる。
大学も病院も独立採算制が問題となり、経営的に改善をめざさなければならなくなる。多くの国立大学が独立行政法人に移行したが、これは、学問の自由を捨てさせて経済活動に支配させる行為に他ならない。
大学運営を独立採算制でおこなっていけば、基礎的な科学研究ができなくなり、応用科学でも工業化、商業化できるものに研究が収斂されてくる。これは、富士山のように裾野を広くして科学の発展をめざすのではなく、針金の上に摩天楼を築くようなものにしかならない。
学問そのものが枯渇していく道を日本が選択したに等しい。
江崎玲於奈さんは、教育改革国民会議で、遺伝子レベルで出生選別して優秀な人間には英才教育を、そうでない人間には普通の教育をという要求をおこなったが、この人の極端な要求にさえ背を向けるのが、大学の独立行政法人化だろう。
紀北分院が独立行政法人に移行したら、小児科が存続できるかどうかを心配しなければならない。京都では、地域の中核的な病院の存廃問題が起こり大変な状況になっている。これは人ごとではない。
田舎には病院はいらない、田舎には郵便局も農協もいらない、田舎には役場はいらない、田舎には学校はいらない、政治はこういう方向に向かっている。存廃が問題になる理由は非効率だからだ。
紀北地域は、北部に壁のように立ちはだかっている山脈がある。同じ日本の国で、大阪と和歌山とを比較するとここ数年で政治の歩みは極端に変わってしまった。合併によって和歌山県は大きく姿を変えたが、大阪は基本的には変化が起こらなかった。
木村県政は、いま第2次合併へと大きくかじを切った。この方は、和歌山県を救うのではなく、和歌山県を解体するために知事になったのかも知れない。
道州制への大合唱の中で、それに呼応する和歌山県の経済は、より一層落ち込んでいくかも知れない。病院をめぐる変化がその出発になるかも知れない。
午前中は、水道審議会、午後は事務所で会議。夕方は歩いて集金に行った。
「かつらぎ町の昨日・今日・明日」を10冊買っていただいた。


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出来事

Posted by 東芝 弘明