山田ズーニーさんの話は印象的だった

雑感

第75回町村議会広報研修委員会が終了したので帰宅した。
2時30分に東京から新大阪まで新幹線に乗り、地下鉄と南海電車、JR和歌山線を乗り継いで、自宅に帰ると8時30分頃だった。
朝の9時から12時まで、3時間広報のクリニックを受けて、帰り着くまでの時間が8時間30分だから、やはり東京は遠い。新大阪から東京までなら2時間40分程度で行けるので、そんなに遠い感じはしないけれど、和歌山県のかつらぎ町から、新大阪に出るのが一苦労だ。

昨日講演をしてくれた山田ズーニーさんの話は、面白かった。「伝わる・揺さぶる!文章を書く」という内容の講演だった。
文章が伝わる7つの要件という下りを少しだけ紹介しよう。
山田さんは、7つの要件として次の7点を紹介した。

1 自分のメディア力──自分は相手からどう見られているか?

2 意見──自分がいちばん言いたいことは何か?
3 論拠──なぜそう言えるか?
4 目指す結果──どんな結果を出したいか?

5 根本思想──自分の根っこにある思いはなにか?
6 論点──問題意識はどこに向いているか?
7 相手にとっての意味──相手の立場からみたら、この話は何?

山田さんのこの7つの要件には少し解説がいるだろう。私見も交えて書いてみたい。

1 自分のメディア力とは?
自分のメディア力というのは、自分が発進する情報や伝えたい事柄が、信頼されているかどうか、ということである。たとえば、日本共産党というだけで胡散臭そうに見る人も多い、もしくは、日本共産党だから信用する人もいる、──というように情報を発進する人間が、どのように相手に受けとめられているかということが、まず重要になるということだ。何らかの信用を失うような事件を起こした人は、何を言ってもなかなか信頼されないし、話にも説得力がなくなる。こういう場合、どんなに努力しても真意が伝わらなくなることがある、ということである。
議員が、法律や国や県の通知などを活用して、質問を組み立てたり、世論調査やアンケートや新聞記事を活用して論理を組み立てるのは、自分のメディア力を高める力になるということだろう。
とくに行政とやり取りをする場合、法律の条文というものは、大きな説得力を持つ。どんなに考え方に違いがあっても、法律が考え方の違う人間相互の公約数になる。行政は法律や条例にもとづいて仕事をしている機関なので、これを突きつけられたら、逃げることは出来ない。
自分のメディア力というのは、文章や話をする上での前提になる問題だということだ。


2 意見とは?
物事に対する判断、自分の物事に対する結論を意味する。結論のないものは意見とはいわない。意見をいうと波風が立つと信じている日本人が多いけれど、これは迷信だ。意見を押し付けるからおかしくなるのであって、意見はいうが意見を相手に押し付けないなら、議論、ディスカッションは成り立つ。
──なかなかの卓見ではないだろうか。自分の判断のないものが多い。そういう文章は、読んでも何だかもやもやするということである。

3 論拠とは?
自分の意見の理由や根拠のこと。これがないと説得力がなくなる。

4 目指す結果とは?
文章のゴールを明確にして書くということ。この文章を通じて相手がどういう状況になったら自分は満足なのかということ。〈何のために書くか〉

この2〜4までが、文章を書く上での文章の核になるものではないだろうか。


5 根本思想とは?
これは、日常的にどのような自己形成をはかるのかということとつながっている。自分の根本的な思想のこと。価値観、生き方。これが、どうしても話や文章の中にでてきてしまうということ。自分が心の底から思っていることを文章にしてはじめて、相手の心を打つ。〈どんな思いで書くか〉
──つまり、心を込めて書いた文章でないと相手の心に届かないし、尊敬、侮蔑、感謝、憎しみ、妬み、自慢、怒り、依存、エゴなど書き手の思いは、自ずから文章にでてくるということ。

この5根本思想は、2意見、3論拠と深く関わっている。根本思想が豊かに育まれてこそ、2と3も豊かになってくる。狭義の根本思想は、自分の心の底にある最も伝えたい気持ちを深く見つめて、自分の本心をとらえて書くということでもある。


6 論点とは?
文章を貫く問いのこと。問題意識。良い問いが文章・話の舵を大きく変える。
〈どんな問いのもとづいて書くか〉
この点で大事なのは、問いを分解すること。なぜ?という問いは、大きい問いだということである。なぜという大きな問いを分解するためには、いつ、どこで、だれが、なにを、どうしたというように(つまり、5W1H)を活用して、小さな問いに細かく分解して物事を考えるということが大事だということ。このような問いを立てながら文章を書くということが、物事を考えることに他ならないということである。

7 相手にとっての意味とは?
誰に向けて書くのかということ。相手の立場に立って見た場合に、この話にはどんな意味があるのかということ。

6論点は、3論拠と深く関わっている。論拠を掘り下げて論点として広げて、展開し文章を組み立てる。4目指す結果と7相手にとっての意味は深く関わっている。

なんだか、話が余計にこんがらがってしまったかも。
この7つの要件というのは、もう少し整理していつも心に留めて文章を書く力にできないものかと思う。


試行錯誤の上での本日の結論

とまあ、ここまで考えて、次のように整理できてきた。
いままで上に書いたことは、試行錯誤のたまものだったということで、以下、次のようにまとめたい。

根本思想──意見──論拠──論点──目指す結果 (文章組み立ての5つの観点)
自分のメディア力──相手にとっての意味──目指す結果 (読み手の立場に立つための3つの観点)
以上のように目指す結果をゴールにして、まとめ直した。
これでどうだろうか。

帰ってきてから、Amazonで「伝わる・揺さぶる!文章を書く」と「あなたの話はなぜ『通じない』のか」という山田さんの本2冊を購入した。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

雑感

Posted by 東芝 弘明