妄想が膨らんだ
和歌山住民要求研究集会に参加した。午前中の基本的人権に関わる話の中で、ヨーロッパの北欧の国々の人権に対する考え方と日本の到達点の差を感じた。一度は現地に行ってその違いを実感したいとも感じた。日本国憲法は2度生まれるのではないかと書いたことがる。憲法の2度目の誕生は、現在の自公政権から国民主権を体現する野党による政権への転換と、この政権による憲法の理念による国に生まれ変わらせるプロセスを経て成し遂げられる。日本国憲法が、国民共通の理念として、いわばモラルとして日本の国がつくられていけば、日本はヨーロッパの資本主義が到達している地点に近づくと思っている。
個人 個人の基本的人権の保障。個人の尊重を国の基礎にする。
恒久平和 憲法9条に基づく積極的な平和外交。国際救助隊と国際医療団の設立。海外支援の充実。
アジア 核兵器廃絶、平和協力機構の設立、友好条約の締結。軍備の縮小。外交の充実。国際協力の推進。貧困の克服。
保育所。子どもは家庭の環境の中で育てるべきという考え方に基づいて、民家と同じ雰囲気を持った建物で、こじんまりとした形で実現する。大規模園なんて存在しない。
保育士 手厚い配置基準。
学校 いっせい授業はない。子どもの学ぶ意欲に基づいて教育が組織される。
学校 教員は子ども3人に1人程度の配置。
学校 さまざまの職種の人が働く場。
図書館 人間の第2の脳として必要な資料を収集し、国民にアクセスを保障。
子どもの権利 最善の利益が与えられ、学校の運営に関わり、子どもの意見を表明し、それが叶えられる制度がある。
仕事 十分な賃金の保障。貯金なしに老後を過ごせる年金の仕組みの確立。
仕事 仕事場と住んでいるところが近い。
仕事 残業がない。十分な休暇が保障されている。
仕事 事業所の負担が働く人の2倍だったりする。
起業 個人の自己実現の機会として保障される。支援の仕組みがあり、国民はNPOや協同組合をつくる権利がある。
地域 地域にはたっぷりとした自由な時間がある。
地域 ここには文化もスポーツも生涯学習も何もかもがそろっており、仕事以外の時間が人間の発展と幸福を保障する。
介護 基本的には無料。必要な介護サービスが、その人の状態によって組み立てられる。
医療 基本的には無料。必要な医療を必要な形で得られる仕組み。
ジェンダー平等 資本主義内におけるジェンダー平等の実現。これは人類史的挑戦。達成は日々の目標。
国 社会保障や教育が予算の中心 福祉の増進計画に基づいて憲法の理念を実現。
税 国民も負担するが、それは国民に還元するために存在する。企業の負担は重い。
起業と国家 企業に対する民主的な規制。企業による社会貢献。
社会保障 国民の基本的人権は永久不可侵の権利、社会保障は国の義務、国民の権利。
土木 災害への万全な備え。国民の生活向上への寄与。国民の移動する権利の保障。
交通 国民の移動権の保障。充実。
国の法律 誰もが理解しやすいシンプルなもの。国民を誤魔化すことはしない。
議会 制度が複雑ではないので仕事は少ない。国民主権が実現するので地方自治体の意義員はボランティアに。議員の人数は今よりも多い。
こういうことが実現していけば、日本国憲法の理念に基づいた本当の意味の改正も日程に上ってくる。それは未来の話。
日本共産党流に言えば、こういう改革の先に社会主義があるということ。
生産手段の社会化による労働時間の短縮。
自由な時間の拡大。
個人の自由な発展が社会の発展につながる新しい社会。
個人の個性が生かされる社会。
この仕組みのもとで人類史の本史が始まる。この社会の中での人間の不幸、人間の幸福は想像がつかない。しかし、深刻な不幸や複雑な課題はいつまでも具体的に存在するだろう。
今日の話は、こういう妄想を豊かにしてくれるものだった。
もちろん、今日の話は、こんな妄想はかき立ててくれたが、現実に根を張った具体的な話が圧倒的に多かった。和歌山市では生活保護者8人に車の所持と使用が認められているとか、生活保護者に50万円の貯金ができたら保護を打ち切るとかいうような話が満載だった。この現実と格闘しつつ、日本国憲法の理念を軸に考えようという話が多かった。日本の現実と憲法の理念の乖離、落差、憲法に背を向けた政治の醜さ。私たちは日々、これとたたかっている。